東電は黒字化するか、独自試算の結果は 原発再稼働は難しく経常赤字が必至

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電気料金値上げ、従業員のリストラ、そして原発の再稼働問題。東京電力ははたして黒字化するのか、大幅赤字が続くのか(写真は東電本社)。

東電は今2014年3月期の業績見通しについて、期初の段階では「未定」として発表していない。ちょうど今から1年前の昨年5月9日、東電は「総合特別事業計画」について政府から認定を受けた。同計画では東電の今14年3月期は営業利益、経常利益、当期純利益とも黒字浮上すると見込んでいた。

しかし、東洋経済では現状、原発再稼働が見込めないため、値上げや合理化の効果で営業利益は均衡圏まで戻しても、経常利益の段階では1000億円前後の赤字が残ると予想している。

料金値上げや燃料費調整で5000億円以上増収

期初の段階では会社計画を示していない東電に代わって、今2014年3月期の業績を予想してみよう。

まず、売上高については6兆5000億円程度になりそうだ。前2013年3月期実績の5兆9762億円に対しては、9%近い増収となる。昨年9月から実施した家庭向け(規制部門)の電気料金値上げが、今期は通期でフル寄与するため、これで約700億円の増収効果がある。

販売電力量については横ばいと見るが、円安に伴う燃料費増大が、燃料費調整制度を通じて単価上昇につながり、これで4000億円以上の増収になる。さらに再生可能エネルギー発電促進賦課金の増加で200億円前後の増収となる。

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