東電福島原発の汚染水処理が「破綻寸前」

タンク増設間に合わず、信頼性欠く施設で保管継続

放射能汚染水が漏れた地下貯水槽(ポリエチレンシート施工後)

東京電力・福島第一原子力発電所の汚染水処理が、「破綻の瀬戸際」にある。

福島第一原発では、海抜35メートルの高台に設置された第2号地下貯水槽(貯水容量1万4000トン)から最大で120トンもの放射能汚染水が漏れ出している事実が4月6日に判明。翌7日には隣接する第3号(貯水容量1万1000トン)からも微量ながら汚染水が漏洩していることを東電が認めた。東電は現在、2号貯水槽から、それまで未使用だった1、6号貯水槽(貯水容量は各1万3000トン、1万トン)に汚染水を移送する作業を続けており、新たに安全性に懸念が持たれている3号地下貯水槽の貯水量も減らす取り組みに着手した。

規制庁幹部も「破綻の危機」を認める

ただ、ポリエチレンやベントナイトなど、わずか3層のシートでストロンチウムなど放射性物質を含む大量の汚染水を管理する地下貯水槽は、移送先の施設についても安全性に疑いが持たれている。7日には福島県が東電に「すべての汚染水を地下貯水槽から鋼鉄製タンクに移すこと」などを含む4項目の要請をしている。

とはいえ、それができないのが現在の東電だ。

「2号に続いて3号貯水槽も空(から)にした場合、汚染水処理は綱渡りどころか、破綻してしまうかもしれない」(原子力規制庁の金城慎司・東京電力福島原子力発電所事故対策室長)という段階まで追い込まれている。そのため東電では当面の間、地下貯水槽に汚染水を入れておくこと以外に選択肢はなく、「お手上げ」の状況と言える。

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