閉幕したシーテック、実は「大激変」していた テレビ見本市の時代は終わった、次はIoTだ
新たな旗印は、新たな出展者を掘り起こした。「モノのインターネット」と訳されるIoTには、さまざまな機器から情報を得る通信機能が欠かせない。そこで、去年は出展していなかったNTTグループも出展している。
異業種も引きつけた。三菱UFJフィナンシャルグループなど、ITやエレクトロニクス分野から見れば異業種の企業も、「IoTタウン」と命名したブースに出展していた。MUFGがシーテックに出展するのはこれが初めてだ。
看板のかけ直しが功を奏したのか、2016年の出展企業・団体数は648(前年比22%増)と4年ぶりに反転増。特にIoT関連のベンチャー企業が同2.5倍の139と増えたことが大きい。2007年のピーク以降では、2008年に次ぐ水準となった。実際、公開初日の10月4日午後。出展者と来場者が商談する大型のスペースは満席で、熱を帯びていた。
来年、東芝とソニーを呼び戻せるか
ただ、来場者すべてに「看板のかけ直し」の意義が浸透し尽くしたとは言えそうもない。開催4日間の総入場者数は14万5180人。前年比1万2132人増とプラスに転じたが、目標とした15万人には届かなかった。
公開初日の10月4日に黒い人だかりが出来ていたのは、seven dreamers社の世界初の全自動衣類折りたたみ洗濯機やオムロンの卓球ロボという「モノ」だった。「シーテックはIoTのビジネスモデルを見せる場へ転身する」と長尾専務は意気込むが、わかりやすさという点で、折りたたみ洗濯機という画期的な新製品にかなわなかったようだ。
今回の看板の付け直しは成功だったのだろうか。来場者数や出展者数の増加はもちろんのこと、過去に離脱した東芝やソニーが来年戻ってきてくれるかどうかも、重要な判断基準となりそうだ。
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