「SCOOP!」監督は雑誌の仕事をどう見たか 「すぐに雑誌がなくなることはない」

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映像や音楽業界も、全部配信になるかといえばCDは残るし、逆にアナログレコードの売り上げが上がってきていたりする。所有欲みたいなものが絶対あると思う。そもそも映像や映画がすべて配信になったらたまったもんじゃない。

映画は一番古くさいメディアだけど、意外とずっと残っていくような気がします。たぶん「体験」があるからでしょう。ゴハンを食べにいくとか、遊園地に遊びに行くとか、デートをするといった事がなくならないように、映画を観に行くという行為はなくならないと思います。

今後は映画監督がメインに

大根仁(おおね・ひとし)/ 1968年生まれ。アシスタントディレクターとしてキャリアをスタート。TV演出家、映像ディレクターとして数々のドラマや音楽プロモーションビデオを演出。映画監督作品に『モテキ』(2011年)、『恋の渦』(2013年)、『バクマン。』(2015年)など(撮影:今井康一)

――これで監督として5本の映画作品を手掛けたことになります。かつて「自分はテレビディレクターだ」と言い続けてきていましたが、まだ軸足は映画監督ではないと思っていますか。

いえいえ。そうは思っていないですよ。もうテレビの演出は何年もやっていないですし。テレビをやっているときもミュージックビデオとかライブビデオを手掛けいたし、ずっと居場所がない感じがあった。最近は映画がメインになっているが、『モテキ』の頃は深夜ドラマもやっていた。だから映画監督と言われれば、「はいそうです」と答えるようにしています。ただ、自分から映画監督ですと言うことはないですね。それはさすがに恥ずかしい。スピルバーグや黒澤明監督と同じ職業とは思えないですし。

幸い、声をかけていただくのが映画中心になってきており、今後は映画がメインになっていくのかなと思っています。ただ、その一方で、なかなか儲からないな、と思っています。映画監督は食えない職業。映画業界は本気で考えないと人材が枯渇していくと思います。

――監督は朝が苦手だったので、映像の業界を選んだと聞いています。

高校時代は千葉で過ごしていたのですが、10~15分は満員電車に乗らないといけなかった。その時点で将来的にこれを毎日繰り返すのは無理かもしれないと思ったのがはじまりです。単純に朝起きられないという。でも今は満員電車に乗っていますよ。今日も乗ってきましたし、監督ともなれば朝早くから現場に行かないといけない。監督が行かなければ何もはじまらないので。むしろどんどん早起きになっています。

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