冒険で体得した51%に懸ける決断力 モンベル会長 辰野勇

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経営者であり、冒険家でもある。否、冒険家であり、経営者でもあると言ったほうがいいかもしれない。日本が誇るアウトドア用品のトップブランド、モンベル。このモンベルの創業者で、現在、会長を務めるのが辰野勇氏だ。
21歳のとき、当時、史上最年少でスイスの名峰アイガー北壁の登頂に成功。同年にマッターホルン登頂、その後も黒部川を源流から河口までカヤックで初下降、米国コロラド川の漕破など、アウトドアフィールドで数々の偉業を成し遂げてきた。
 その辰野氏が1975年、28歳のときに2人の仲間とともに創業したモンベルは、品質がよく手頃な価格の寝袋やテントなどが、世界の登山家やアウトドア愛好者に高く評価され大ヒット。アウトドアブームの追い風も受け、今や年商420億円、従業員数660人の企業へと成長を遂げている。経営者としてマネジメントをする際に、数々のアウトドアでの経験はどう役立っているのかーーその問いに、辰野氏は静かに口を開いた。

 登山ではひとつの判断が命にかかわります。その意味では、会社経営よりシビアな世界とも言えるでしょう。吹雪の中で登り続けるか、降りるか。自分の命を守るため、仲間の命を守るために、決断をしなければいけない場面が何度もあります。

組織のマネジメントやリーダーシップに求められるものは、それぞれのケースでいろいろあります。登山の場合は、決断力が何よりも重要なのです。 

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