「核の先制不使用宣言」が見送りになった事情

オバマ大統領「核軍縮外交」の成果と課題

「核兵器のない世界」については「多くの仕事をやり残した」と語ったオバマ大統領(写真:ロイター/アフロ)

任期切れ間近になって、米国のオバマ大統領が核軍縮に積極的な姿勢を見せている。核を削減することは核保有国の責任とはいえ実行するのは容易でない。同大統領の動きは注目に値するものであり、歴史的な意味を持つ。

世界唯一の被爆国である日本と日本人にとって、この取り組みが重大な意味を持つことは言うまでもない。今回、オバマ大統領の取り組みの成果と課題について解説していきたい。

「核の先制不使用宣言」は取りやめに

オバマ大統領の提案は結果を出せたものも出せなかったものもある。いわゆる「核の先制不使用宣言」は日韓両国が懸念したため取りやめになった。

「核の先制不使用」とは、核兵器を相手国より先に使用しないことだ。相手国と言うのは、通常、紛争の相手国という意味である。しかし、「先制不使用」の意味は明確でない。相手方の核搭載ミサイルの発射より先にこちらから攻撃を仕掛けることはしないことだと言っても、相手方のミサイル発射とはミサイルが発射台から実際に飛び出した時点か、それより以前の発射命令か、さらに前の発射準備かで大きく違ってくるが、どの時点か具体的に決まっているわけではない。

仮定の話だが、実際に核戦争になった場合、双方とも決して「先に核攻撃した」とは認めず、「相手が先に仕掛けた」と言い張るだろう。しかし、どちらが先か、判定の決め手はないのだ。

このようなことから、専門家の間では、「先制不使用宣言」はあまり意味がないという考えが強いが、核軍縮を進めることに前向きの姿勢をアピールする政治的な意味はある。

一方、大きく前進したものもある。

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