習近平が危ない!「言論統制」がもたらすワナ メディアへの締め付けはいつか反動で爆発も

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アジア3カ国歴訪で各国首脳と会談する中国の習近平・国家主席(右)。だが国内ではメディアなどの情報統制に必死だ(写真:ロイター/アフロ)

習近平・中国国家主席は「腐敗取り締まり」と「言論統制」の2本の鞭を駆使して、国や地方の指導者と幹部に活を入れ、また、共産党の一党独裁体制に不都合な言説を排除している。巨大な国家は、既存の組織・機構や既定の方法で動かないから鞭が必要なのだろうが、習近平の鞭は歴代の政権にくらべ、はるかに強力だ。

2012年11月の第18回共産党大会で総書記になった習近平は、2013年3月に中国の国家主席に就任し名実ともに中国のナンバーワンになると、優先課題として言論の統制強化に取り掛かった。当然、胡錦濤前政権から続く、報道の自由化傾向を見守っていたと思う。特に2011年7月23日、浙江省温州市付近で起こった高速鉄道事故では多数の死傷者が出て、民衆のすさまじい怒りを買った。メディアは大々的に報道し、『人民日報』など公式新聞の記者も民衆の目線に立って、独自の取材活動をした。政府の高速鉄道プロジェクトを真っ向から批判した新聞もあった。このように自由な報道は、事件から約1週間後、中央の指示で規制されるまで続いた。

記者免許の更新試験まで実施

しかし、習近平は報道の自由化傾向に危機感を抱き、対策を強化しなければならないと考えたのだろう。まずメディアに対して革命思想の徹底を図る。具体的には、全国の新聞やテレビ、通信社、雑誌などの記者25万人にマルクス主義を学ぶ研修を義務付け、2014年早々、統一の記者免許更新試験を実施した。免許更新試験に合格しなければ、記者活動はできなくなるので、事実上強制的な措置であった。

後には「メディアは党の一族だ」と言い始めた。メディアが自由化傾向を強めると党の指導から離れていく。そのようなことはあってはならないと考え、中国では政府もメディアも共産党の指導の下で協力していくべきことを強調したのだ。

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