われらが東大の学術研究講座に拠出する理由 民間最大級の研究基金、仏「アクサリサーチファンド」代表に聞く

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――今後、日本での研究支援については。

ファンドとしては、日本の大学や研究機関で新たな学術研究講座の開設ができればと考えている。

2013年度は支援プロジェクトを40から50の新規の対象プロジェクトの選定を行い、科学の新領域の研究者と積極的にパートナーシップを組んでいきたい。これまでに支援を行ってきた研究者のコミュニテーを強化し、社会的に知見の共有を進めるとともに、AXAにおいて専門的な知見をもつ社員と研究者の関係構築にも尽力していきたい。

このファンドの取り組みがAXAブランドへの認知と理解の向上につながり、社員のプライド醸成の一助となればと願っている。そして、研究支援によって得られた知見が、保険事業の崇高な使命の遂行と、社会の持続可能な発展に寄与することを願っている。私は横浜で生まれたということもあり、日本で東大のような素晴しい大学に学術研究講座が開設されたことをとても嬉しく思っている。

――京都大学の山中教授のiPS細胞の研究も支援対象として興味があったのでは?

残念ながら、ファンドが設立から間もないこともあって、ご支援できなかったが、先日iPS細胞の研究の知見を活かした研究を行っているスペインの研究所を訪問した。この研究所では次の世代の研究者が日夜研究に励んでいる。AXAリサーチファンドの支援先からも次世代の研究者から山中教授のような素晴しい研究成果が出ることを心待ちにしている。

設立して6年。このファンド持続的なものとしていきたい。アクサのマネジメントコミッティからも絶大なサポートを受けている。これは、ファンドによる科学技術の基礎研究への支援が、アクサにとってはコアビジネスの持続性や企業文化の醸成に、社会にとっては持続可能な発展に重要であることがトップマネジメントに理解されていることの証である。

木村 秀哉 東洋経済 記者

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きむら ひでや / Hideya Kimura

『週刊東洋経済』副編集長、『山一証券破綻臨時増刊号』編集長、『月刊金融ビジネス』編集長、『業界地図』編集長、『生保・損保特集号』編集長。『週刊東洋経済』編集委員などを経て、現在、企業情報部編集委員

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