心筋梗塞の画期的治療法、まず日本で投入へ 米国医療機器大手の日本法人社長に聞く
米国に本社を置く医療機器メーカーのセント・ジュード・メディカル社はこのほど、心筋梗塞や狭心症など「虚血性心疾患」の診断や、カテーテルを用いた治療に役立つ新しいシステム「ILUMIEN OPTIS」を、他国に先駆けてまず、日本市場に投入することを明らかにした。
同システムは血液供給の過不足を判断する物差しとなる冠血流予備量比(FFR)を測定する技術と、「OCT」と呼ばれる血管内の断層画像を撮影する技術を生かした装置。迅速な診断や適切な治療に有用で、不必要な治療の回避につながるため患者の予後の改善にもつながるという。
新システム発売の狙いなどを日本本社のウィリアム・フィリップス社長(上写真)に聞いた。
医師が高い先見性持つ日本で、まずは投入
――なぜ、世界で最初に日本へ投入したのですか。
世界的にみても、(カテーテルなどを使って、冠動脈の狭くなった部分を広げる)PCI治療や、それに伴って血管内の状況を画像で可視化するといったやり方では、日本がリードしているからです。
FFR測定は他社から取得した技術。一方、OCTは日本の医師が見事に使いこなしている。血管内を画像化し、手技を行うのに積極的です。日本の医師は高い先見性を有している。だから、日本のマーケットを第一に考えるのは当然のことです。
FFRとOCTの併用は将来のPCI治療の標準になると考えています。FFRによる血流量の測定は生理的状況を把握するもの。これに対して、OCTは血管の病変部を最もしっかりした形で可視化できる技術です。2つを合わせて使えば、患者の長期にわたる予後の改善などが期待できるでしょう。
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