新生ヤフーが命運託す、生粋"モバイル野郎" ソフトバンク孫社長も待望した男の素顔

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「この1年、(無料通話・メールアプリの)カカオトークなどと提携を積極的に結び、ヤフーが弱かった部分を補強できた。ここからは、自分たち独自のサービスを作らなければいけないというフェーズ」と村上は言う。

確かに、現在、ヤフーがスマホで展開しているサービスは、もともとPCで人気のあるオークションやニュースなどを、そのままアプリに移植したものが目につく。

そのため、新体制の2年目は、「スマホならではのサービスを新たに生み出すことが大きな課題だ」と、村上は捉えている。

背景には、PC上の集客策が検索やニュースが主体だったのとは違い、数多のアプリが存在するスマホでは、端末のディスプレーそのものがポータルの役割を果たすという構造変化がある。

つまり、PCで有名だった個々のサービスをそのままスマホに移すだけでなく、「LINE(ライン)」に象徴されるような、集客のハブ(軸)になるサービスを作らなければ、ヤフーの存在は薄れかねない状況にある。

さらに今後は、スマホだけではなく、タブレットも含めた「スマートデバイス」への対応も視野に入れなければならない時代が来る。

このような大転換期に、新生ヤフーはスマホ戦略の旗振り役を村上に託した。パソコンのヤフーから、モバイルのヤフーへ。ネット界の巨人は生まれ変われるのか。

「まだまだ物足りない。2年目が本当の勝負」(村上)。生粋・モバイル野郎の本領が、いよいよ問われる。(=敬称略=)

(撮影:梅谷秀司)

 

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

2008年東洋経済新報社入社。産業担当や週刊東洋経済編集部の大型特集を歴任。2020~21年に会社を休職して、米国に留学(フルブライト奨学生)。帰国後は再び週刊東洋経済編集部に所属の後、解説部で米国の政治経済やテック情勢を担当。2024年7月から3度目の週刊東洋経済編集部所属。直近では「上場企業クライシス」「半導体異変」「進撃のアクセンチュア」などを取りまとめた。

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