新生ヤフーが命運託す、生粋"モバイル野郎" ソフトバンク孫社長も待望した男の素顔

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「この1年、(無料通話・メールアプリの)カカオトークなどと提携を積極的に結び、ヤフーが弱かった部分を補強できた。ここからは、自分たち独自のサービスを作らなければいけないというフェーズ」と村上は言う。

確かに、現在、ヤフーがスマホで展開しているサービスは、もともとPCで人気のあるオークションやニュースなどを、そのままアプリに移植したものが目につく。

そのため、新体制の2年目は、「スマホならではのサービスを新たに生み出すことが大きな課題だ」と、村上は捉えている。

背景には、PC上の集客策が検索やニュースが主体だったのとは違い、数多のアプリが存在するスマホでは、端末のディスプレーそのものがポータルの役割を果たすという構造変化がある。

つまり、PCで有名だった個々のサービスをそのままスマホに移すだけでなく、「LINE(ライン)」に象徴されるような、集客のハブ(軸)になるサービスを作らなければ、ヤフーの存在は薄れかねない状況にある。

さらに今後は、スマホだけではなく、タブレットも含めた「スマートデバイス」への対応も視野に入れなければならない時代が来る。

このような大転換期に、新生ヤフーはスマホ戦略の旗振り役を村上に託した。パソコンのヤフーから、モバイルのヤフーへ。ネット界の巨人は生まれ変われるのか。

「まだまだ物足りない。2年目が本当の勝負」(村上)。生粋・モバイル野郎の本領が、いよいよ問われる。(=敬称略=)

(撮影:梅谷秀司)

 

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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