グノシー福島CEO「ユーザー激増はまだ続く」 新たなアプリも投入、成長は鈍化していない
――スマートニュースは米国でのユーザー獲得に乗り出している。
成功する可能性がないとは言わないが、かなり難しいと思うので、われわれにとって優先度は低い。というのは、(先行投資で)掘る赤字がケタ違いになるからだ。ニュースアプリはマネタイズできない間は(ユーザー獲得のための)広告を打ち続けないといけないビジネスモデルだ。
米国でユーザー獲得を進めるには、1000億円というと言い過ぎかも知れないが、少なくとも100億円以上は赤字を掘る意思決定が必要だ。それは勇敢で素晴らしいと思うが、現実的かというと疑問がある。
コントロールできるのは業績しかない
――収益面では安定感が出てきたとはいえ、株価は低調だ。
前期に業績予想の修正を重ね、市場の信頼を失ってしまったことは、真摯に受け止めている。前期の2016年5月期は、上期にヤフーのタイムライン広告参入によって広告単価が下がったのが唯一の誤算で、下方修正の原因となったが、それ以外はすべて計画通りに進めることができた。
われわれがコントロールできるのは業績だけなので、着実に進捗させる。当然、今の業績にはまったく満足していないし、株主の皆様にはリターンを返したいと思うので、しっかりと事業を進めていく。
――KDDIと組むことで安定成長の道筋は見えてきたと思うが、見方によっては成熟した企業の戦い方だとも言える。上場時に強かった、爆発的に成長して世の中を変えていく企業としての期待には応えられるか。
グノシーは今も変わらずベンチャー企業。再び急成長できるように、新規事業の開発を積極的にやっていく。収益構造が安定してきたからこそ、新たな成長ドライバーを作るための挑戦ができるようになった。そのために体制も変えていて、8月に竹谷祐哉COO(最高執行責任者)も代表権がある取締役に昇格し、2人代表制での経営をスタートしている。
大まかな役割分担で言うと、自分が新規事業の開発に携わり、竹谷が既存事業を見ることになる。新規事業の領域で考えているのは、やはりスマホのメディア。解決できる問題が、まだいっぱい残っていると思う。
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