卵子凍結に助成を決めた浦安市長の「覚悟」 保険適用と同じ3割負担のラインを目指して
――未受精卵子の凍結保存というのは、まだ初期段階で実施件数も多くないのが現状です。どんな経緯で、この政策を進めることになったのでしょうか?
このプロジェクトの責任者である菊地盤医師(前回インタビュー)が順天堂大学医学部附属浦安病院に異動してきたのが始まりです。菊地医師から、卵子の老化についての最新データや、がん患者さんたちの卵子や卵巣を凍結してきた実績についてプレゼンを受けました。2014年の暮れだったと思います。ちょうどよい予算編成の時期だったこともあって、すぐに予算化しようという話になりました。
――実際に動き出したのが2015年の夏ですから、かなりのスピードで実現した政策なのですね。
私自身、少子化対策のことも常に考えてきたつもりだったのですが、菊地医師に説明されたデータなどの中には、誰からも教わっていない、知らないことがたくさんありました。その衝撃は大きかったですね。
かつて野田聖子議員が体外受精を頑張っていた時期がありましたよね。野田さんとお話した時に、出産適齢期という言葉を初めて知ったんです。
「松崎さんは市民と話す機会がたくさんあるのだから、そのことを伝えてください。私自身、女性なのに出産適齢期というものがあることを50歳近くになるまで知らなかった。二度と、私のような人を出さないで下さい」
そう言われて、それから勉強してきたつもりでした。それでも、知らないことがたくさんあったんです。菊地先生と出会ってからは、直接レクチャーを受けて、その内容を自分でパワーポイントにまとめて、いろいろなところで話すようにしています。
2年前の選挙の時、普段以上に浦安市民と話す機会を持つようにしました。多くて10人くらいの少人数で、お母さん方と話すミニ集会を多く開きました。会も多くありました。子育て支援をするにしても、一体何が大変なのか、どうしたら2人目を産んでもらえるのか、実際のところを知りたかったんです。
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