日本一“ハンサム”な、最年少イクメン知事 新世代リーダー 鈴木英敬 三重県知事
政治家は「やるか、やらないか」
鈴木は、「政治家とは?」と聞かれると、「決断と説明責任」と決まって答える。官僚時代にいやというほど、自分の目で、改革の機運が失われていく現場を見てきた。「行政改革や教育改革、子育てなど、いま国でも地方でも論議されているものは、ほとんど論点が出尽くしている。後はやるか、やらないかだけだ」。
当然、知事に就任してからは、スピード感を重視する。大震災直後の混乱の中、1年弱で「みえ県民力ビジョン」をまとめた。200万人弱の県民のあるべき姿と今後の進み方を示した戦略計画で、キーワードは3つからなる。
1.アクティブシチズン、2.県民力結集、3.幸福実感日本一――である。県財政健全化をにらみつつ、予算の内容のみならず、編成プロセス自体を見直し、上昇を続ける県債残高の減少への転換や、人件費削減にもメドをつけた。
上記のビジョンを簡単に説明しよう。1はアメリカのケネディ大統領の言葉を採った考え方だ。行政側から守ってもらうのではなく、一人ひとりが自律して行動するという県民像イメージだ。2は行政と住民が立場を超え、協働するだけでなく、「協創」(具体的な成果を生み出す)すること。3は、1と2を基に、県民に真の満足度を実感してもらうという目標だ。座右の銘であるアリストテレスの「幸せとは、行為の結果である」という考え方を重視する。
シャープの経験に学べ!「全国初」のユニーク政策とは
この4月からは、就任3年目に入り、こうした理念を具体化する政策も動き出しつつある。たとえば、まさに4月からスタートする「マイレージ」制度。三重県が編み出した企業誘致に関する全国初の補助金の仕組みである(クリーンエネルギー企業設立や、マザー工場設立など、5種類の補助金を用意)。
要点は、県内企業の成長や高付加価値化に役立つ小規模投資を、マイレージという形でポイント化。1回当たりの投資は小規模投資でも、複数年で要件(例えば累計で5億円)を満たせば、一定額を補助する、というユニークなものだ。
これは、「最近の企業が小規模投資を繰り返す傾向に対応したのと同時に、過去の苦い経験を踏まえたもの」だ。北川知事時代、三重県は補助金の限度額90億円という大型補助金をテコに、シャープの亀山工場誘致に成功した。
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