左右分離イヤホン「AirPods」が"買い"のワケ この斬新さはiPhone7以外でも体験可能

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AirPodsに内蔵されているモーションセンサーの役割は、ジェスチャーにも使われる。耳に装着している状態でAirPodsを2度たたくと、Siriを呼び出すことができ、コマンドを伝えることができる。音量調整や再生の停止、プレイリストの選択に加え、iOS 10ではタクシー配車やサードパーティーアプリでのメッセージの送信などの機能を利用することができる。
ちなみに、AirPodsへのジェスチャーは、Siriの呼び出しのほかに、再生・一時停止の機能を割り当てることができる。さらに、利用するマイクも、自動的に左右を切り替えるほか、右あるいは左に固定することも可能だ。
つけっぱなしが快適になる

AirPodsの音質は、EarPodsに準ずる。EarPodsは音の解像度は若干気になるが、低音を強調しすぎることなく、多くの人にとって「ちょうどよい」バランスを攻めている。AirPodsとEarPodsを聞き比べてみると、AirPodsのほうが、中音域がより豊かに、高音の抜けがよりよくなったように感じる。このことは小さな音量でも、人の声や効果音がよりはっきり聞こえることを意味する。AirPodsは、再生する音を閉じ込めたり外部の音を遮ったりしないことから、音量を大きくすると、EarPods以上に音が漏れやすくなるだろう。

AirPodsは、アップルデバイスを利用していると、さらに快適に利用することができる。たとえば、Apple Watchを装着しながら、iPhoneでAirPodsを使って音楽を聴いているとき、Apple Watchに設定したアラームやタイマーが鳴ると、AirPodsの音楽が自動的に止まる。もちろん手首の振動でも気づくが、AirPodsの音楽が止まることで、よりわかりやすかった。

複数のアップル製品で連携して使える

また、Apple WatchやiPadなど同じiCloudのアカウントでログインしているほかのアップルデバイスで、AirPodsとのペアリング情報を共有するため、iPhone以外のデバイスで新たにペアリングする必要はない。使っているデバイスのコントロールセンターから、自分のAirPodsを選べば、AirPods自体の操作をすることなく、瞬時にペアリングする相手のデバイスが切り替わる。iPadで映画を観ているときに電話がかかってきたら、iPhoneから通話するスピーカーとAirPodsに切り替えれば、すぐに通話に移ることができる。

複数のアップルデバイスを使っているなら、AirPodsはこれまでにない、非常に快適なワイヤレスオーディオ体験ができるはずだ。

朝の通勤から着けっぱなしで、オフィスに着いたら目の前のMacの音声に切り替えて、ランチタイムにケースにしまって充電しておけば、午後から帰宅まで、また着けっぱなしで過ごせるだろう。

AirPodsには、まだまだ発展の余地がある。搭載されているW1プロセッサーは、音楽再生やセンサー類の動作などを束ねる頭脳として左右のAirPodsに入っているが、今後このプロセッサーが進化することで、ノイズキャンセリング機能や、ほかのAirPodsと連携したグループでの楽しみ方もできるようになるかもしれない。

また、着けっぱなしが快適であることから、よりアクセサリー性を高める方向性もある。アップルがどのようなファッションを耳に提案するのか、楽しみな面もある。

AirPodsはアップルのワイヤレスオーディオの初手にして、最適な体験を提供してくれた。あまりに自然に生活に溶け込み、便利に動いてくれる感覚は、多くの人に体験してもらいたいと感じた。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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