社会的マイノリティを守る、正義の盾になれ
金八先生に贈る言葉

金八先生に贈る言葉

最近、私が大好きだった金八先生こと武田鉄也さんが、すっかりこの手の人に感化されて、中国・韓国人への過激な非難を強めているという。私は子供のとき、いつもマイノリティやいじめられている子の立場にたって熱く戦っている金八先生が大好きだった。ここだけの話、金八先生はキム・パルという在日韓国人なのでは、と思っていたくらいだ（念のために言うと、さすがに冗談）。

しかし、そんな金八先生までもが右傾化してしまうのだから、これは何かをしなければならないのだと思う。こういうトピックに発言することは政治色を嫌うマーケットを失うので得策ではないが、この機会に発言せずに柔らかいトピックだけで当たり障りのないコラムニストになるようでは、言論者ではなく、単なる日和見主義の商売コラムニストになってしまう。

特にドイツのように戦時の失策から学び、極端な排外主義を法律で禁じる措置を取っている国と異なり、日本では政府が意図的に無策であるように見えるからこそ、メディアで言論人が使命感を持って頑張るべきだ。

こういう問題にはかかわり合わず、波風立てずに生きていきたいと思って沈黙を選んでしまっている言論人も多い。そんな人々に私は申し上げたい。ぜひメディアに携わっているからこそ果たせる社会責任について、使命感を持って正義の盾となる気概を見せてほしい。