社会的マイノリティを守る、正義の盾になれ
金八先生に贈る言葉

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被害者とは

次に被害者だが、これは後に述べる“詐欺師”が振りまいた言説の餌食になった人々だ。しかしまだ“カルト”には至らず論理的思考や冷静さが残っているため、適切なワクチン(「グローバルエリートは見た!」のような上質なコラム)に触れれば、私たちの傍に帰ってくることができる。

不況が続いて排外主義が勢いを増しているのは欧州も同じだが、欧州では左派社会主義政党や連立政党が政権を担い、かつヘイトスピーチは違法なので歯止めが効く。一方、日本では不況が長引いているうえ左派が滅び、右派政党が圧倒的マジョリティをとっているので、極端な言説が横行する土壌がある。日本人は協調性がある反面、逆に言えば“空気を読む”民族なので、一度同じ方向に暴走すると歯止めが効きにくい。

集団心理の危険なパターンを理解しており、知的に考えられる清田さんは、無分別な国粋主義に感染してはいけない。社会学者や心理学者の視点で、客観的に自分の心の動きを見つめる努力が必要である。

詐欺師とは

最後に詐欺師だが、これは悪質である。自分の言っていることがうそっぱちの詭弁であることを知っていながら、それを言い続けると自分への支持が上がり英雄視され、それが社会への悪影響と引き換えに自分の仕事(出版や寄付金)が増えると思っている人たちだ。

そして自分が何を知らないのかも知らず、他人が言っていることを受け売りしているだけなのに、先に述べた“カルト信者”や“被害者”から賞賛されることが快感になり、それが自分の生きる道になってしまっている人たちだ。

この人たちはその手の政治家から御用学者として重宝され、政治の審議会とかテレビ討論に呼んでもらえるようになり、政治家が自分で言うと問題があることを代わりに代弁してあげることで、政治家と戦略的共栄圏を形成する。最近、安倍さんが歴史関連の発言を控え、学者に任せる、と言っているのは典型的な事例だ。彼が審議会などに呼んでいる“学者”の顔ぶれを調べてみれば、おわかりいただけることだろう。

この詐欺師の方々は今まで社会に認められたためしがなかったのに、とにかく韓国と中国の文句さえ言っていればもてはやされるものだから、事実や真実には関心がなくなる。彼らは国に貢献しているつもりで、実はいちばん国の価値と品格を破壊しており、日本の恥になっていることに気づかない。

こんな人たちによる被害者は子供たちだけに限らず、良心の代表として広くお茶の間に親しまれてきたとある有名人にも感染してしまったので、最後に紹介させていただきたい。

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