“スキルアップ教”にハマる中国の若者たち 「個人事業主」志向が強い、中国8000万人の若者たち

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

キャリアアップの2つの道

ではどうやって中国人の若者は、キャリアをアップしていくのでしょうか。それには、2つの道があります。

ひとつは、エキスパート化。自分のスキルを徹底的に磨いて、専門性を高めます。だから、日本企業の総合職のように、10年ぐらいさまざまな部署を回ってやっと課長や部長になるというようなキャリア・パスは、中国人にとっては遅すぎます。

マーケティング部で2~3年鍛えれば、マーケティングのエキスパートになれるのに、なぜマーケティング部の後に企画部に異動しなければならないのか? なぜその後に営業部に異動しなければならないのか? まずマーケティングのエキスパートになった時点で早く評価してほしい。そして、マーケティング部で係長、課長、部長と昇進していきたいと考えます。

もうひとつの道は、転職。転職は自分の階級を上げるチャンスです。だから、会社で上のポストが詰まっていて昇進が見込めない場合、転職をしようとします。競合会社からお呼びがかかり、そこで経理、総監にしてくれるのだったら即決。転職も、以前のようにいきなり倍増のような例は少なくなりましたが、給料のステップアップは一般的です。

この2つの道を突き詰めて考えていくと、日本以上に、一人ひとりが自分を商品として思い、その価値を高めようとする「個人事業主精神」という言葉がぴったりきます。自分で本当に事業を立ち上げるわけではないので、ベンチャー精神ともまた違うのですが、自分の市場価値を上げよう上げようという意識を非常に強い。会社は好きでも、その帰属心や従属心がこの意識を上回ることはまれです。キャリアパスが少しでもあやふやだったり、上が詰まっていると、近道はないかと捜し回る。

そんな人たちは、空いている時間は何をしているかというと、遊んでいるわけではなく、社会人MBAコースで勉強したり、ネットワークを作ったりと、生きるスキルを磨いたりしている人が多い。個人の成長が、生活水準を左右する死活問題ですから、会社を超えて通用するスキルを身に付けようとしているのです。

次ページリクルートで見た中国人社員の号泣
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事