それでも中国で儲かっている企業とは? アセアンは元気でも、中国含めBRICSの株式はイマイチ

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本コラム表題の『中国でもうかっチャイナ』は、もともとは、中国ビジネス、中国株投資で儲けるにはどうしたら良いのかという問いから来ている。では、本当に中国関連の投資で儲けることは難しくなってきているのであろうか?

この問いに答える前に、中国経済が直面している問題、中国株式市場が低迷している原因について考えてみたい。

中国経済の問題点は数多いが、まずマネーの観点から見ていこう。最近中国の経済雑誌を見ていると『100兆元時代』というフレーズをよく目にする。

通貨供給量100兆元(約1550兆円)は2012年の名目GDPの約1.9倍と、日本のバブル時の1.2倍を大きく上回る。中国のマスコミもこの膨大なマネーの動きに関心を寄せている。世界的な金融緩和の流れの中で、『熱銭』と呼ばれるホットマネーが中国に流入し、中国人民銀行(中央銀行)は人民元高を抑制するために、大規模なドル買い人民元売りの介入を行い、結果として人民元を国内にばらまくこととなった。

中国は実質マイナス金利で、債券市場は発展途上、株式市場は低迷し、勢い投機マネーは不動産、闇金融、果てはニンニク相場にまで流れ込んだ。最近シャドーバンキングとして問題になっている『理財産品』と呼ばれる高利回り金融商品も、人気で残高が急増している。

投機マネーは都市化の進展と80年代生まれ(80後・バーリンホウと呼ばれる)のベビーブーマーの実需をターゲットに、不動産市場にどんどん流れ込んでいる。上海でも1930年~60年代に建てられた古い住宅から近代的なマンションへの住みかえ需要は依然として大きいし、田舎から出てきた出稼ぎ労働者の郊外型団地への需要もある。

また文革後の80年代生まれのベビーブーマーが結婚適齢期を迎えており、住宅を準備しないと女性の親に結婚を許してもらえないため新婚さん向け住宅のニーズも膨大である。日本の団塊ジュニア前後の世代に相当する80年代生まれは、なんとその数2億2000万人。全員結婚すれば1億1千万カップル。現実的にその4分の1が家を購入しても、ベビーブーマーの需要だけで2500万戸必要になる。

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