どんな銘柄に投資すればよいのか
それではどのような銘柄に投資すればよいのであろうか。もちろん中国株で中国の消費拡大を取り込んで成長している企業、これに加えて、もう一つの投資コンセプトは中国で儲かっている外国企業に投資するということだ。一番注目しているのはピジョンである。
尖閣問題以降日本製品の買い控えが広まる中、まったくといって影響がないのが、ピジョンの哺乳瓶である。中国製哺乳瓶はプラスチック製品が多く、お湯を入れると環境ホルモンが溶け出るなど品質に問題があり、中国人に信用されていない。体に入れるもの(例:哺乳瓶)、体に入ってくるもの(例:食品、薬)、体につけるもの(例:化粧品)において、中国人は中国製品を信用していない。特に一人っ子社会で子供に関する製品は安全がすべてに優先する。
香港で中国人が粉ミルクを買い占めて香港政庁が輸出規制を行っているが、中国人にとっては安全な粉ミルクを確保するのは大問題なのである。私の友人で投資銀行に勤める中国人は、赤ちゃんのために粉ミルク、離乳食、布団、おむつ、空気清浄器、水まで全部海外の安全な製品にこだわっている。彼女へのお土産はいつも明治の粉ミルクか、パンツ型の紙おむつを買っていく。
ユニ・チャーム、良品計画(無印良品)、ファーストリテイリング(ユニクロ)イトーヨーカ堂(セブン&アイ・ホールディングスなど、中国人が愛してやまない日本の製品やサービスは数多い。海外企業でも、P&G(米国)、GE(米国)、ロレアル(仏)、ナイキ(米)、アディダス(独)、GM(米)、フォード(米)、VW(独)、スターバックス(米)・・・数えたらきりがないが、中国が収益のドライバーであり、中国の成長を取り込んで業績を拡大している企業は多い。
中国企業に関しては不正会計疑惑などから信用できないという投資家も多いが、日本企業やグローバル企業であれば情報開示もしっかりしているし、中国経済のサービス化の過程で収益を上げることも可能である。中国で儲かっている外国企業を通じて、中国投資で収益を上げることも可能ではないだろうか。
尖閣問題以降、日本では中国への関心が急速に低下しているようだが、この隣人は巨大で、外交、軍事、鉄鋼、化学、エネルギー、食糧等あらゆる分野で無視できない存在となってきている。次回以降も、この巨大な隣人の現状をいろいろな角度から分析し、お伝えしていきたい。
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