節約だけでは、おカネは絶対に増やせない 貯金したいなら、すぐ実行すべき二つのこと

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私は本当におカネを増やすのであれば、「節約」よりも「無駄をなくす」ことの方がはるかに重要だと考えています。

二つの「人生の無駄」をやめてしまえ!

では具体的にどうすれば無駄をなくせるかということですが、私は人生における最大の無駄は「保険の入り過ぎ」と「不必要なローンの利用」だと思います。

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入りすぎている保険を見直したり、ローンの借り換えや繰り上げ返済をすることによって、無駄な金利を減らしたりするほうが、すぐに何万円もの効果が表れるのです。

ですから、お風呂のお湯を再利用することなどよりも、無駄な保険やローンをやめて、その分を貯蓄や投資に回して長期に積立てていく方が、はるかに効果は高く、おカネは増えます。

ではなぜ、そういった無駄を見直すということをしっかりやらないかと言えば、それは「よくわからない」し、「面倒だから」です。人は何ごとにおいても“感覚的”に判断しがちで、論理的に考えたり、数字を検証したりするということが苦手なのです。結果として、あまり深く考えずにわかりやすい“節約”をしようとします。

よく真っ先に節約すべきやり玉に挙げられるのが「亭主の小遣い」というケースも多いようですが、通常、一家の主人というのは我が家に最大のキャッシュフローをもたらしてくれる存在であるはずです。そういう存在のモチベーションを下げるようなことは、どう考えても上策とは言えないでしょう。

なんでもかんでも節約という感覚にとらわれることなく、具体的な効果測定を検討しながら実行していくことが大切なのではないでしょうか。

大江 英樹 経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表

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おおえ ひでき / Hideki Oe

大手証券会社で25年間にわたって個人の資産運用業務に従事。確定拠出年金ビジネスに携わってきた業界の草分け的存在。日本での導入第1号であるすかいらーくや、トヨタ自動車などの導入にあたりコンサルティングを担当。2003年から大手証券グループの確定拠出年金部長などを務める。独立後は「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるよう支援する」という信念のもと、経済やおカネの知識を伝える活動を行う。CFP、日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『自分で年金をつくる最高の方法』(日本地域社会研究所)、『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』(東洋経済新報社)などがある。

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