節約だけでは、おカネは絶対に増やせない

貯金したいなら、すぐ実行すべき二つのこと

ところがこの二つを実行するためには時間もかかりますし、自社だけではなく、取引先との交渉なども必要になってきますから、すぐに実行することはできません。そこでわかりやすい3Kが登場してくるのです。

さらにもっとばかばかしいのは、「コピーで裏紙を使え」とか、挙句は「トイレットペーパーを二重から一重にしろ」といった類の指示です。こんなことでたいして経費削減の効果が上がるとはとても思えません。しかしながら社員の気持ちを引き締めたり、危機感を植え付けたりするという意味においては一定の効果は見込まれます。

家計においてもこれは同じで、前述の電気の消灯とか風呂の湯の再利用などは、実行することで「自分はこんなに頑張ってるんだ」という意識を高める心理的効果はあります。しかし、実際に経済的な面で判断すると、それほど効果は高くありません。

なぜ節約ではおカネを増やすことはできないのか

節約するということ自体、別に悪いことではないのですが、節約では決しておカネを貯めたり増やしたりすることはできないというのが私の考えです。

おカネを増やすためには、具体的に目に見える形でキャッシュフローが生まれ、それを別の方法で貯蓄なり投資なりをしていかなければなりません。

つまり具体的な金額目標を設定して、節約したものを金銭に換算していかなければ、何もなりません。

ところが節約は往々にして、それをすること自体が目的化してしまっていることが多いために、そこから具体的なキャッシュフローが生まれてこなければ何も意味はありません。

さらに節約するというのは“必要なものでも買わない”、“欲しいものでも我慢する”というニュアンスがあります。すなわち結構、心の苦しみや不満を伴うのです。ストイックに節約するのは一時的には心理的効果があったとしても、決して長続きはしないだろうと思います。

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