みなさんから私が聞き取った「みんなの思い」を託す船として、昨年には一般社団法人お寺の未来が立ち上がりました。お寺からニッポンを、世界を元気にしたいという私たちの活動は、多くの方からの大きな期待と応援という追い風を受けています。特に、昨年の春に「未来の住職塾」を開講してからは、生まれ変わりつつあるお寺の大きな胎動を実感するようになりました。
今までは、社会環境の大きな変化に対してお寺のありようは受け身だったように思います。しかし今、私が感じているのは、社会をよりよいかたちへ主体的に導く「社会の変化の中心軸」としてのお寺のあり方の可能性です。その可能性は、まだ花開いて皆に見えるところまでは育っていませんが、確かにつぼみが膨らんできています。
おカネの時代は終わりを迎えつつある
そして、お寺の動きに呼応するように、社会の側もその未来にお寺を求め始めています。
たとえば、「仏教がダメなら、もう日本はダメだと思ったから」と言い、第一線のコンサルタントのキャリアを捨てて、未来の住職塾を一緒にやることになった井出さんという方がいます。そのほかにも、実力のある若い人たちは、早くも「旧来の価値観からの出家」とも言える行動をとり始めています。
また、資本主義の最前線で数々の企業を育ててきたような投資家の人が「もう、おカネの時代は終わり。これからは本当に世の中のためになる分野にこそ自分の力を注ぎたい。そしてその分野はおそらく、仏教だと思っている」という時代です。一昔前では考えられないことですが、時代の前線はそういう方向に動いています。
今や、お寺の未来は、お坊さんだけでなく、ご先祖にとっても、私たちみんなの未来にとっても、大事な問題です。これからはより一層力を入れて、よりよいお寺の未来、仏教の未来、世界の未来を切り拓くべく、ヤング・グローバル・リーダーズの一人として発信していきたいと思います。
このたびの光栄は、ご縁のあるすべての方々のおかげです。読者の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。
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