個人が日本語に新語を付け加える現代

ネットで生まれ、リアルに進出してきたDQNの事例

かつての発生源は「王様の愛人」や「犯罪者」だった

著者:堀田純司(作家) (撮影:今井康一)

私は「言葉が発生するプロセス」に昔から興味があるのですが、現代で面白いのは、個人発の用語がそのまま日本語に定着してしまう例が見られるところです。

もちろん一人の人の言動から新たな言葉が生まれた例は過去にも多くありました。

たとえば17世紀、ルイ14世の寵姫マリー・ド・フォンタンジュの工夫がきっかけとなって、「フォンタンジュ」という、今でも通じるヘアスタイルが生まれています。

ただこの場合、発生源は「王様の愛人」という注目のセレブだったわけで、一個人とはいいづらい。

では無名の市民発の例をあげると、たとえば「出歯亀」は、池田亀太郎という犯罪者の個人名から。しかしこれもメディアが取り上げたからこそ一般に広まったものでした。

その点、テキストのコミュニケーションが主体であるネットの世界は、独自用語の楽園で、しかも印象的な投稿や、言い間違い、警察に逮捕される直前の断末魔の書き込みなど、一個人発というルーツが、はっきり確認できるものも多い。

その中でもDQN(ドキュンと読む)という言葉は特に面白い。この言葉はネットを越えてリアルにまで進出し、どうやら日本語に新たなボキャブラリーを付け加えてしまったように見えます。

次ページDQNはいつどこで生まれたのか?
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • コロナショック、企業の針路
  • iPhoneの裏技
  • コロナ戦争を読み解く
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
大手不動産がこぞって参戦<br>「シェアオフィス」ブームの内実

テレワークや働き方改革の浸透で存在感を高めているのが「シェアオフィス」です。大手から中小まで多数の参入が相次いでいますが、目的はさまざま。通常のオフィス賃貸と比べた収益性も事業者で濃淡があり、工夫が必要です。