では、「一流の人に学ぶ服装の秘訣」は何なのか。以下、ポイントを3つに絞って紹介しよう。
「豪華な装飾品」に酔いしれるのは二流の人だけ
【1】出世するほど「清潔+質素」が基本。腕時計は要注意
先述したように、一流の大金持ちでも、職場やお客さんに会うときは「清潔だが質素な身なり」で臨む人は多い。スーツは多少いいものを着ていても、アクセサリーや時計はあえて簡素なものをしている人は少なくない。
お客さんに会うのに、豪華な腕時計を見せびらかすようにつけて喜んでいる人がいたとすれば、これはまさに救いようのない二流の人だ。
「その時計を買うおカネは、元をたどれば誰が払ったものなのか」「お客さんが自分の商品を買ってくださったおカネではないのか」という当然のことに考えが及ばない人に、お客さんのハートをつかめるはずがないのだ。
私は時計メーカーに恨みがあるわけではないが、「腕時計不要論」を唱えてかれこれ20年のベテランである。腕時計は重いし、毎朝どこにあるのか探さなければならないし、水泳中にジムのロッカーから盗まれることもある。
なにより、あの圧迫感がストレス満載で、携帯電話でいつでも時間を確認できるこのご時世、腕時計が果たす役割は、極論すると「ファッション」か「見栄え」かのいずれかではなかろうか。
ファッションの一環としてたしなむのであればまだ個人の自由だが、豪華な腕時計を職場にはめてきて、心のどこかに「これで自分をアピールしよう」というあさましい考えがあったとするならば、深く反省しなければならない。
腕時計で年収や社会的地位を値踏みするのは、私をすっかりカモにしている、六本木のクラブのお姉さんたちだけだと断言しよう。
【2】自分に合った高品質のものを買い、長期間使う
親愛なる読者の皆様もぜひ、次のスーツや靴、カバンを買う際は、20年後も立派に使える愛用品になるものを大切に選んでみよう。
これも驚きの共通点だが、一流のビジネスパーソンには往々にして、太古の昔から使いつづけている愛用品があるものだ。
スーツを聞けば、やれ20年着続けている、カバンを見れば、やれ30年使い続けている、靴を聞けば、もう生まれた時から同じ靴を履いている、と言わんばかりの使い込みようである。
「一流の人には長期間の愛用しているものがある」ということには、3つの「本質的なメッセージ」が含まれている。
1つ目は「自分に合うものをわかっていて、自分を深く理解している」こと、2つ目は「長く使い続けることで、代替品のない『さまざまな思い出』をまとうようになっている」こと、そして最も本質的なメッセージは「自分に合ったいいものを大切に扱い、長い間愛用することは、長期的な人間関係も大切にするという隠れたメッセージを相手に与えることになる」ということだ。
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