服装によってバレる3つめの要素は、その人が「物事の機微がわかる人かどうか」ということだ。
一流の人は「お客さんに合わせた服装」をする
【3】「物事の機微がわかる人か」も出る
私が出会った一流のビジネスリーダーの中には、年収5億円、個人資産30億円クラスのエリートも少なからずいた。
彼らは大金持ちにもかかわらず、結構安そうな時計をはめ、つつましやかなダークブルーのスーツを身にまとってミーティングに出てくることがよくあった。逆に、たいしたことのない二流の人に限って、300万円くらいしそうなギラギラのロレックスをはめていたものだ。
なぜエリートの中でも優秀な人に限って、1000円の腕時計をはめるのか。
それは、お客さんの投資家に会うときに、「そんなにいい生活はしていません、無駄遣いはしていません」という堅実なイメージを送るためである。
保守的で控えめな日本の銀行員と会うときには、それまで着ていたギーブスアンドホークスのジャケットから、わざわざAOKIのスーツに着替える人さえいた。
これは日ごろベンツのSL600に乗っている政治家が、選挙の前と後援会回りのときにだけ、自転車や中古のホンダのシビックに乗り換えるのと同じ理由といえる。
そういう「物事の機微」がわからない二流の人に限って、ピカピカのシルバースーツにギラギラの時計、華美なサスペンダーで着飾り、スイートルームのような社長室を構えては悦に入っているが、日本の保守的なビジネス相手からは内心呆れ返られており、それだけで信頼を失っているのだ。
大成功するにつれて質素な服装を好むのは、アップルのスティーブ・ジョブズがその筆頭だろう。それは「着るもので悩む時間がもったいないから」という説もあるが、「ブランドに頼らなくても自分自身がブランドだ」という強烈な自己顕示欲と自信の裏返しでもあるのだろう。その点でも、他人がつくったブランドの力にいつまでも依存する二流の人とは大違いである。
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