転職を成功させる近道は「フォロワー脱却」だ ルーチンワークには自分の「味付け」をしよう

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それは会社の成長ややるべきことに対して、はなこさんを含む既存社員の成長や能力が足りないからです。ですから即戦力たる中途を雇っているのです。それ以上でも以下でもありません。そう考えるとチャンスはまだまだあるのではないでしょうか。

一方で、仕事外においても、つまり自分自身の生き方や自分なりの勉強や自己啓発にも、クリエーティブさが重要です。英語や中小企業診断士などに挑戦されたということですが、何となくそういった勉強をすれば仕事ができそうだから、という発想になってませんか?

ビジネスマンにとっての学びとは、「学習×実践」の両輪を回す視点が基本です。そういった視点がないと時間がない社会人としては優先順位が高まりませんし、そもそも今の時代、これを取れば安泰などという資格は存在しません。したがって「資格を取る→何か仕事で使えるだろう」という発想ではダメで、リアルな目的意識があって初めて資格や学習が行きてくるのです。ですから、ここでも世間の大勢のように資格で人生を変えるというフォロワースタンスではいけないわけです。

さて、ここでようやく30歳でもう遅いか、という問いかけへの回答ですが、正直、異業種への転職をお考えならばあと数年のうちに、上記のようなスタンスに変えることができればギリギリ間に合うタイミングであると言えます。中途採用とは即戦力採用ですから、業界は未経験でも、「自走式」や自主性のある人が好まれるのは言うまでもありません。

近道は、今の職場で「自分の実績」を作ること

キャリアが自分で作るものである以上は、仕事も自分なりの特色をどんどん出し、フォロワーを脱却しないといけません。そういった本当の「仕事」を通じてしか自分の適性もわかりませんし、成長も見えないでしょう。

反対に、つねに前述のようなスタンスであれば、おのずと進むべき道も、今の自分に足りないことややるべきことも見えてくるはずです。はなこさんはご自身の将来に対し健全な危機意識をお持ちなのですから、あとは危機意識をいかに自主性や自分なりのアクションにつなげるか、です。

転職へのいちばんの近道は、現在の職場で「自分の実績」としてアピールできる事実を作ることです。そしてそれがいちばん確実な方法なのです。

キャリアにも人生にも正解はありません。だからこそ、フォロワー精神を捨てて、自分なりのチャレンジを繰り返し、自分にとっての正解を切り開いていくしかないのです。

はなこさんが、チャレンジを繰り返し、自分の人生を取り戻されるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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