債券相場と為替・株式相場の矛盾は長期化 市場動向を読む(債券・金利)

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「美人投票」である以上、投票者のサンプルが異なれば、その結果が異なってくることに何ら不思議はない。また、別の形での質問も少なくない。すなわち、いずれJGB市場が「インフレ率の上昇」を急激に織り込み始めれば大幅なベア・スティープ化(金利の急上昇を見込み、イールドカーブが急勾配になること)を招き、財政危機を引き起こすことになるのではないか、と。

これに対する答えは、JGBの「美人投票」が、ファンダメンタルズの実績がCPIの大幅上昇になる、という結果を示さない限り変らない。むしろ、為替、株式市場における「投機」を日銀が途切れることなく促し続けることの結果として、JGB市場に加わる金利低下圧力は需給的な要因から徐々に強まっていくのではないか。そうであれば、JGB市場と為替、株式市場とは、今後も長期間にわたって別の途を歩んでいく可能性が高いだろう。

森田 長太郎 オールニッポン・アセットマネジメント執行役員/チーフストラテジスト、ウォールズ&ブリッジ代表

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もりた ちょうたろう / Chotaro Morita

慶応義塾大学経済学部卒業。日興リサーチセンター、日興ソロモン・スミス・バーニー証券、ドイツ証券、バークレイズ証券、SMBC日興証券などで30年以上にわたりマクロ経済、金融・財政政策、債券需給などを分析し、2023年10月から現職。グローバル経済、財政政策、金融政策の分析などマクロ的アプローチを行うことに特色がある。機関投資家から高い評価を得ている。著書に『日本のソブリンリスク 国債デフォルトリスクと投資戦略』(東洋経済新報社・共著、2011年)、『国債リスク 金利が上昇するとき』(東洋経済新報社、2014年)。

 

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