普通の女子高生が東大生に「知力」で勝るワケ 東大卒NHKプロデューサー、村松秀氏に聞く

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知力を鍛える「グルグル思考」の必要性について聞きました(写真 :わたなべ りょう / PIXTA)
国内の大学で最高峰である東京大学の「今」を伝える本が毎年出ているのをご存じでしょうか? 作っているのは「東京大学新聞社」に所属する現役東大生たち。8月に出版された『東大2017』は、「この1冊で東大がわかる!」とうたい、受験必勝法から合格体験記、入学後の生活のアドバイス、専門学部への進学、そして卒業後の進路に至るまで、徹底的に解説しています。
発行から32年目を迎えた今年のコンセプトは「とんがる東大」。本連載では『東大2017』の一部をご紹介することで、東大の今をお伝えします。
1回目は、『女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか?』という東大を目指す受験生には少々ショッキングな著書の執筆者である、工学部卒業後NHKでプロデューサーとして活躍する村松秀さんのインタビュー。自身がプロデュースしたテレビ番組の企画を基に本を書いたという村松さんの学生時代や現在の仕事内容、知力を鍛える「グルグル思考」の必要性について聞きました。

将来もはっきりしない「モラトリアム」の典型でした

当記事は、書籍紹介サイト「honto」の提供記事です

――中学、高校時代はどんな生徒でしたか。

体が弱かったのであまり活発な生徒ではありませんでした。じゃあ何していたかって思い返すと、テレビやラジオをよく視聴していた記憶が強いです。NHKの「ウルトラアイ」という生活科学番組が当時すごく人気で僕も大好きでした。たとえば、お酒を飲むと蚊に刺されやすいのかを調べるために、蚊帳の中にわざわざ蚊を入れて、お酒を飲んだ人と飲んでいない人で比べる、という体当たり実験をしていました。

「オールナイトニッポン」というラジオ番組もよく聴きましたね。当時は中島みゆきさん、とんねるずさんなどがパーソナリティで、独特なダラダラ感に無条件に引き付けられました。空気を視聴者と共有できる、というのはすごいことで、現在番組制作をする際にもつねに気にかけていることです。心許せる友達とバカ話するのが楽しいと思えるのは、お互いその場の雰囲気や気持ちを共有できているからでしょう。番組側と視聴者が空気を共有することで生き生きとしたメッセージが伝わると考えています。

高校の文理選択のときには理系を選び、理科Ⅰ類を受験しました。父親がエンジニアであるなど親族に理系が多かったこと、文系就職もできるので将来の選択肢を狭めないことなどが理由でした。社会や国語が得意で、文理どっちつかずな人間でした。大学生活も、やりたいことや自分の将来もはっきりしない「モラトリアム」の典型でした。

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