普通の女子高生が東大生に「知力」で勝るワケ 東大卒NHKプロデューサー、村松秀氏に聞く
将来もはっきりしない「モラトリアム」の典型でした
――中学、高校時代はどんな生徒でしたか。
体が弱かったのであまり活発な生徒ではありませんでした。じゃあ何していたかって思い返すと、テレビやラジオをよく視聴していた記憶が強いです。NHKの「ウルトラアイ」という生活科学番組が当時すごく人気で僕も大好きでした。たとえば、お酒を飲むと蚊に刺されやすいのかを調べるために、蚊帳の中にわざわざ蚊を入れて、お酒を飲んだ人と飲んでいない人で比べる、という体当たり実験をしていました。
「オールナイトニッポン」というラジオ番組もよく聴きましたね。当時は中島みゆきさん、とんねるずさんなどがパーソナリティで、独特なダラダラ感に無条件に引き付けられました。空気を視聴者と共有できる、というのはすごいことで、現在番組制作をする際にもつねに気にかけていることです。心許せる友達とバカ話するのが楽しいと思えるのは、お互いその場の雰囲気や気持ちを共有できているからでしょう。番組側と視聴者が空気を共有することで生き生きとしたメッセージが伝わると考えています。
高校の文理選択のときには理系を選び、理科Ⅰ類を受験しました。父親がエンジニアであるなど親族に理系が多かったこと、文系就職もできるので将来の選択肢を狭めないことなどが理由でした。社会や国語が得意で、文理どっちつかずな人間でした。大学生活も、やりたいことや自分の将来もはっきりしない「モラトリアム」の典型でした。
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