「初めて出会う日本酒」の味を大体見抜く方法

難しい漢字の羅列も「翻訳」すればカンタンだ

ただ、この本醸造酒、通称「アル添(アルコールを添加した日本酒)」はちょっと不人気。「アル添はまずいからイヤだ」というお客さんは結構いらっしゃいます。でも、アル添の日本酒がまずかったのは戦後間もない、日本が貧乏だった時代の話です。

米の生産量が乏しかった戦後。少ない米から日本酒をつくるために醸造アルコールを足して3倍に薄め、調味料で味付けをして「日本酒」として売っていたのです。聞いただけで、いかにもまずそうですよね。 少なくともいま流通している日本酒でそんなつくりのものはない!ということは、ここではっきりと言っておきたいと思います。

お米が不足しているわけではない現代で、なぜアルコールを添加するつくり方をするのかというと、スッキリ飲みやすくするため。そしてもうひとつ、お酒の香りを引き立てるため。

「吟醸」か「大吟醸」か、どちらでもないか

純米酒は、味は米らしく芳醇ですが、香りは控えめになりがちです。鼻で楽しむお酒ではないんですね。そこで、香りの分子と結びつきやすいアルコールを加えることで華やかな香りを楽しんでもらおう、というのが本醸造酒の考えです(普通の方は匂いと味を分けてテイスティングなんてしませんから、その香りの華やかさから「甘い」と認識されることもあります)。ただし、香りブンブンのため飲み飽きやすいのが欠点です。

カンタンに言うと、「純米と書いていない=本醸造酒(アル添酒)=より香りを楽しめるお酒」。同じ銘柄で「純米大吟醸」と「大吟醸」があれば、後者のほうが香り高いということです。

もうひとつの軸が、「吟醸」か「大吟醸」か、どちらでもないか、です。

「吟醸」は、ざっくり翻訳するなら「ゆっくり”吟”味して”醸”造した」、つまり「低温でゆっくり時間をかけてつくったお酒」。そうしてじっくりつくった日本酒のなかで、一般的にはお米を 40%以上削ったもの(精米歩合60%以下)を、「吟醸酒(純米酒なら純米吟醸)」と呼びます。フルーティな香りが特徴です。

一方で、お米を50%以上削ったもの(精米歩合50%以下)は「大吟醸(純米酒なら純米大吟醸)」。吟醸酒よりもさらに香りが華やかです。

また、精米歩合が70%以下のアル添酒は、「本醸造酒」と呼びます。ただし、本醸造と言っても「香りを引き立てる」ほうの役割は控えめで、「飲み口のスッキリさ」が強く出ます。

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