すてきナイスグループの脱常識力 30歳で持てる一戸建て住宅!

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縮小

すてきナイスグループは現在思い切った事業構造転換を進めている。そのきっかけは2008年のリーマンショックだ。2009年の国内の新設住宅着工戸数は79万戸を割り込んだ。それまで120万戸近くを維持していたのが、一気に「3分の2」へと縮小した。当然、住宅資材事業も縮小し、不動産価値の急速な下落と共に、すてきナイスグループの2009年3月期決算は11年ぶりの赤字に転落した。

同社のこれまでの成長を支えてきた住宅資材事業は、売上規模こそ大きいものの利益水準は低く、儲からない体質が固定化している。また、1971年から進めてきたマンション分譲事業は、巨額の資金投入、売れ残りリスクを常に抱える非常にリスクの高い事業である。

そうした中で、同社が目を付け、将来の柱として全力を投入しているのが一戸建て住宅事業である。これまで培ってきた資材調達力、物流力、そして約200名の建築士を抱える設計力を存分に活かせば、ナイスならではの独自価値を提供することができると判断したのだ。

1000万戸超の不安住宅建て替えこそ、業界の使命

その背後にあるのは、日本の住宅市場の潜在性である。新設住宅着工戸数は縮小しているものの、日本には耐震性に不安のある住宅がなんと1050万戸も存在する。東日本大震災だけでなく、日本各地で頻発する地震はこうした住宅の建て替えを促していく。そこにこそナイスが果たすべき使命があり、新たなビジネスチャンスが広がっている。

同社はこれまでも「住まいは、命を守るもの。」という考え方をとても大切にしてきた。免震マンションでは供給戸数日本一の実績を有しており、実際、東日本大震災直後においても、仙台の同社の免震マンションは建物の被害が皆無だった。
 こうした独自の技術や経験を一戸建住宅に活かし、眠っている需要を掘り起こしていくことによって、事業構造の転換を実現しようとしている。

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