すてきナイスグループの脱常識力 30歳で持てる一戸建て住宅!

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資材や施工現場を知り尽くしたナイスだからこそできる、コストダウンの余地は実に大きい。基礎工事の単純化、サイディング施工の合理化、給排水管工事の効率化など、これまでは工務店に丸投げしていた施工現場での合理化を、徹底的に追求し、ムダ取りを実現している。

実際、こうしたアイデアにより、施工期間も大幅に短縮。これまでは着工から完成まで60日程度かかっていたのが、35日程度に短縮されている。性能、コストの両面において、「パワーホーム」が業界の“新たな常識”を打ち立てようとしている。

被災地での住宅復興にも力を入れる

この「パワーホーム」をもとにして、東日本大震災の被災地での復興住宅として手掛けているのが「フェニーチェホーム」である。“フェニーチェ”とはイタリア語で「フェニックス」の意味。被災された方々がこれから安全かつ安心して暮らせる住宅を提供するという目的で販売を開始し、受注が順調に進んでいる。

木造平屋建て16坪のタイプで850万円からの価格設定。「住宅の新築にかけられる予算は1000万円程度が限度」という声にもとづいて価格が決められた。

「フェニーチェホーム」の展開方法にも、ナイスならではの思想が込められている。被災地の材木店や建材店などと合弁会社を設立し、販売を行っているのだ。これまでに宮古市、気仙沼市、いわき市など7つの合弁会社が設立されている。被災した地元企業と手を組むことによって、現地の材料や職人たちを優先的に活用し、地域を支援することが狙いである。

被災地の復興住宅という特需を狙って、大手ハウスメーカーなどが激しい競争を繰り広げているが、他地域から部材や人を供給することも多く、被災地での経済効果は乏しい。そうした中で、各地域ごとに合弁会社をつくり、地元密着、地元主導で進めようとするナイスの取り組みは特筆すべきものである。

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