「ウマミバーガー」日本上陸が遅れている理由 日本語がルーツの米国発グルメバーガー
パテとなる肉は米国産のアンガス牛というブランド牛で、独自にブレンドされたものを各店舗で毎日粗びきにし、手ごねにしたもの。独特の軽さの理由が、そのひき加減やこね加減にあるのか、あるいは第5の味覚「ウマミ」には、食感さえも左右する魔法のような性質があるのだろうか。
また、ウマミバーガーの米国での人気を支えているのは味だけではない。お客を飽きさせない、さまざまな工夫が凝らされているのだ。ひとつには、地域性の演出だ。ウマミバーガーはカリフォルニア、シカゴ、ラスベガス、ニューヨークなどで25店舗展開しているが、コンセプトが店ごとに違うほか、店舗限定のバーガーを販売して「新しいうま味」を追求しているという。一例を挙げれば、サンタモニカ店では、「ロコモコバーガー」というご飯ベースのバーガーを売り出しているという。
また、売り上げの一部がチャリティとなる「コラボレーションバーガー」も人気だ。グルメ系ケーブルテレビのヘッドシェフとコラボしたもの、タレントとコラボしたものなどで話題性を高めている。
そのほか、ウマミバーガーの大きな特徴が、こだわりのワインをそろえていることだ。
ウマミバーガーはワインと相性がいい
「ハンバーガーといったら普通ビールですよね。ですが、創業者がもともとステーキに代わるものとして考案していたため、ワインとはとても相性がよいわけです。また、自身がワインに造詣が深かったため、ワインを提供するのは自然なことでした。ワインを特に強く打ち出しているわけではないのですが、ワインを選ぶお客さまは多いですね。ウマミバーガーのベースコンセプトが浸透しているのだと思います」(メディロス社長)
ここで日本のグルメバーガーの動きに目を向けると、特徴的なのが、お酒とのコンビネーションを前面に押し出していることだ。ハンバーガーはランチや軽食のイメージが強いが、「実はお酒との相性もいい」と意外性、話題性をアピールできることが、ひとつの理由としてあるだろう。
また、ファストフードのカテゴリーでは販売が昼間の時間帯中心になってしまい、単価も低く、どうしても「薄利多売」にならざるをえない。ハンバーガー自体に高級感を持たせるとともに、アルコールと組み合わせることによって、客単価を上げていくことができる。昨今、飲食チェーン業界では、ランチ、ティータイム、ディナータイム、それぞれの時間帯でお客を呼び込めるメニュー展開、店作りを進める店が目立つが、グルメバーガー×アルコールの組み合わせも、その流れに沿った動きだと見ることができる。
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