ゴルフ界は「900円」世代を取り込めるのか 初心者がゴルフを続けられるようにする方法

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ゴルフ界は新規ゴルファー創出という大きな課題を抱えている。今回の五輪がそのきっかけとなるはずだったが、アピールが少し弱かったのは残念だ。しかし、「ゴルフを始めたい」という人は各種調査でもたくさんいると聞く。「でもゴルフにまでおカネをかけられない」という20代、30代も多いのだろう。

そういう人を拾い上げるために、ゴルフ業界も費用のハードルを下げて「ゴルフを始めてもらおう」というさまざまな企画を打ち出している。たとえば、60歳以上のシニアプロの大会「ゴルフパートナーカップ 日本プログランド・ゴールド選手権」で驚いたことがある。

会場で行われた無料の「はじめてのゴルフレッスン会」「初心者ゴルフレッスン会」に2日間で450人以上が参加したことだ。50代以上の参加者は「夫が定年を迎えた後に夫婦でゴルフができたら」と一念発起した主婦が多かったが、30代の参加者からは「前から興味があった。クラブを1本もらったので打ちっぱなしにでも行きます」という声があった。

20、30代を呼び込む仕掛け

ゴルフパートナーは2014年8月から、ゴルフ初心者に店舗で7番アイアンをプレゼントする企画を始めているが、1年ほどで5500人以上が受け取り、うち52%が自腹で何らかのゴルフグッズを購入し、32%がクラブを買っているという。この数字が高いか低いかは別にしても「20代、30代が多い」というから、「900円」世代にもゴルフへの欲求は感じられる。

「900円」でゴルフができないか探してみたら、近いものが見つかった。室内練習場のドライビングレンジ日比谷によると、2015年10月に会員制から非会員制にして、1打席(2人まで)50分で2500円にしたところ(1人当たり1250円)、それまでほとんどいなかったゴルフ未経験者が20%、年齢構成も20代と30代で50%を占めるようになったという。

同店によると「使えるおカネの少ない世代が増えている。若い人へのアンケートの結果、価格を含めてゴルフは敷居が高くよくわからない人」が多く、「100%、最初はゴルフをする人に連れられてきている」という。初めてゴルフを体験し、その後続けていくかどうかは、金額だけではなく「連れて行く人」が重要なようだ。

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