私の新刊『アメリカの世界戦略に乗って、日本経済は大復活する!』(東洋経済新報社)では、2000年代に入ってこの政策がまったく機能していないことを検証しています。経済学者は経済学の狭い領域に閉じこもって物事を考えるために、こういった間違った理論がいまだに正しいと思っているばかりか、物事の道理や本質が見えなくなってしまっています。
クルーグマン教授やバーナンキ議長が間違っていても、正しいと評価されているところに、権威の前では反論しない経済学の病理を見出さずにはいられません。
金融緩和論者は、自民党の小泉純一郎政権下の円安バブルの時に、なぜ国民の所得が上がらなかったのかをしっかりと学ぶ必要があるでしょう。金融危機後のアメリカや韓国の通貨安政策でも、インフレが国民生活を苦しくし、格差を拡大させるだけだったという歴史の教訓を真摯に学ぶ必要があるでしょう。
日本はデフレであるからこそ、アメリカや韓国と比べて国民の実質賃金が大きく下がらずに、マシな生活ができているのです。歴史を教訓として学ばない経済学の危うさを、切に感じている昨今です。安倍首相の知恵袋である識者たちの考えは完全に誤っていると思うのですが、そんな「権威の危うさ」は数年以内に証明されるのではないでしょうか。
(撮影:尾形 文繁)
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