ウェブサイト制作が"炎上"する2つの原因 回避のカギはチーム力を高めること

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プロジェクトの開始前からマネジメントという意識を持つことが重要です(写真: わたなべ りょう / PIXTA)
「いつまでたってもサイトが完成しない」「公開したけど更新は月に1回だけ」……ウェブサイト制作の場面で、炎上・泥沼化するケースが増えています。
かつては業界関係者の間だけの話題だったかもしれませんが、今のように自社でサイトを運営する会社も増え、実際にウェブサイトの制作にかかわる人が増えてくると、他人事ではない人も多いかもしれません。いったいどうすべきか。『いちばんやさしいWebマネジメントの教本』の著書もある桐谷晃司さん、吉澤富美さんに聞きます。

問題の本当の原因は別のところにある

長年、ウェブ制作にかかわって来た私も、炎上は何度も経験したことがあります。たとえば3年前、大手人材会社A社で大プロジェクトがあったのですが、先方企業の部長に進行が遅れていると怒られ、謝罪に伺いました。プロジェクトの「炎上」です。

結局、その問題は解決できたのですが、気になったのは問題の本当の原因は別のところにあるということでした。先方とその後よく話をしてみると、大手企業のためプロジェクトメンバーが営業や広報、管理部門の責任者など他部署から集まっていてコミュニケーションがうまく取れていないことがわかったのです。振り返ってみると、当社と先方企業との関係も、実際顔を見ずにメールでのやり取りばかりという状況で、意思疎通がとりにくい状況にありました。

作業の途中で追加の要望が出る、意図をうまくくみ取れない、担当者同士がお互いの依頼を把握しきれず混乱している、先方の現場窓口担当者がOKと出したものを、その上の人がNGを出して戻ってしまう――。そんな問題がたくさん起きていたのです。

また最近はスマートフォンやタブレットなど、デバイスの多様化が進んだことで、サイト設計の仕方、デザインの仕方が大きく変わってきました。Webプロジェクトは年々複雑化し難易度が上がってきており、担当者が行き詰まったり忙殺されたりするケースが多くあります。それをチームビルディングやワークショップという場を使ってひも解いてあげる作業が必要になってきています。

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