分散型時代のメディア戦略はどうあるべきか 有料化&リアル戦略の正しい描き方とは?

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コンテンツ表示に3秒以上かかると、大多数のユーザーが閲覧をやめるという(撮影:田邉 佳介)
この記事は、海外メディア情報専門ブログ「メディアの輪郭」の著者で、講談社「現代ビジネス」の編集者でもある佐藤慶一さんによる寄稿です。

遅いより速いほうがいい

この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:インフォバーン)の提供記事です

前回、2015年は流通の年、2016年は分散型の年ということを書きました。2016年は分散型コンテンツ/メディアをめぐる動きが盛り上がり、メディアとプラットフォームの関係の変化や、それに伴うメディア戦略の見直しが議論となるでしょう。そんな分散型を語るうえで、欠かせないキーワードのひとつに「高速化」があります。

これまでは、スマホの小さな画面をのぞきながら、いちいち記事を読むたびにそれなりに待つことが普通でした。しかし、何秒かの読み込み時間が発生するのは、ユーザー体験としては決してよいものではありません。どんなにいいコンテンツを製作して、それがユーザーに届いたとしても、待ち時間でイライラして閉じられてしまったらそれで終わりだからです――。

「記事の表示速度を10倍速くする」

これがFacebookが「インスタント記事」の発表当初にぶち上げたメッセージでした。これまで8秒かかっていたという読み込みを、0.8秒に短縮するというのです。毎日スマホで記事を読む習慣がある人にとってみれば、この短縮が生み出す時間はとてつもない量になるでしょう。その時間をまた別のことに活用すれば、モバイルインターネットの課題解消というだけでなく、人間の暮らしや経済にまで大きな影響を与えることにもなるからです。

高速化の実現を目指しているのはFacebookだけではありません。Googleは2015年、モバイルインターネットの高速化を掲げ、「AMP(アンプ:Accelerated Mobile Page)」というオープンソースプロジェクトを発足させました。ご存知のように、Googleのミッションは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」にあります。

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