「子なし女性」を狙えない広告主の複雑心理 購買力は子持ち女性よりずっと高い
父親が2人いるとか祖父母が孫を育てるといった、新しい家族の形を広告主は受け入れている。それでも、疎外されていると感じている人たちがいる。
子どもを持たない女性たちだ。彼女たちは自らを「チャイルド・フリー」「ノットマム(Not Mom)」などと呼ぶ。
15~44歳女性の約半数が「子なし」
米政府の統計によると、1976年に調査を始めて以来、子どもを持たない女性がいま最も増えている。2014年のデータでは、15~44歳の女性の半数に近い47.6%が子どもを持たず、2012年の46.5%から上昇した。40~44歳に限るとその割合は15.3%だ。子どもを持たない女性の数は世界的にも増加傾向にある。
このように統計で表れているにもかかわらず、「マーケティングの大半は、成人女性のすべてが母親か、母親になりたがっているかのように彼女たちにアピールする」と、PR会社エムブースのチーフクリエイティブオフィサー、アドリアンナ・ベビラクアは言う。
子どもを持たないが子どもが好きな女性に向けたビジネスを手掛けてきたメラニー・ノットキンは、「SavvyAuntie(デキるおばさん)」というウェブサイトを創業した。「PANK(Professional Aunt, No Kids、子どもを持たないキャリアおばさん)」という造語の生みの親でもある。ノットキンにしてみれば、企業は常に利益をもたらす消費者をターゲットにしたがっているのにもかかわらず、なぜこのグループを無視しているのか不思議でならない。
子どもを持たない女性は「対象から外されている」と、ノットキンは言う。「広告主はこうした女性たちにアピールする術を知らない」