中国が旗を振る「エチオピア開発」の光と影

住んでいる中国人は13万人、日本人は200人

今、アフリカでは中国の存在が急速に増している。アフリカと中国の貿易額や中国の対アフリカ投資額は近年増え続けており、それを反映するようにアフリカにおける中国人の人口は増え続け、専門家によると100万人を超えたと言われている。

アフリカの著しい経済発展で生まれている旺盛な需要を背景に、中国企業が次々にアフリカへ進出、アフリカの国家プロジェクトを受注し、投資をしている。また、アフリカでの商機を求めて来る中国人も多い。エチオピアには現在約13万人の中国人がいるといわれている。ちなみにエチオピアに住んでいる日本人は約200人である。

アフリカにやってくる中国人たちはいったいどのような人たちで、何を考え、何をしているのか。また、中国の存在は現地ではどう受け止められているのか。エチオピアでさまざまな現場を歩き、現地で生活するさまざまな中国人やエチオピア人に取材した。現在のエチオピアにおける中国、中国人の様子を4回に分けて報告する。

中国が建設した初の電車ライト・レール

アディス・アババで昨年9月に運行を始めた電車ライト・レール。中国国営企業が建設し、車両、線路もすべて中国製だ ©Kiyori Ueno

2015年9月、人口約330万人のアディスでエチオピア史上初となる電車ライト・レールが運行を始めたことは、本連載の最初に紹介したとおりだ(「現地ルポ!「エチオピアの変貌」に注目せよ」)。

この電車はサブサハラ(サハラ以南)・アフリカでは初めての導入で、総工費4億7500万ドル(約500億円)、エチオピア政府肝いりのプロジェクトだった。実はこのプロジェクトは中国輸出入銀行が総工費の85%を融資し、世界各地で鉄道建設を行う中国国営企業の中国中鉄(CREC)が建設、車両も線路もすべて中国製だ。真新しい2−4両編成の電車の運転手室では背広にネクタイ姿の中国人が運転し、すぐ横にエチオピア人が真剣な顔つきで立ち、運転の仕方を学んでいる。

「この電車のおかげで自分も含めて多くのエチオピア人が助かっている」。エチオピア商業銀行に勤め、通勤に電車を使うようになったビルク・メンギスツは言う。「中国はエチオピアの発展のために本当にたくさんの大きな貢献をしてくれている。この電車はその多くの貢献のほんの1つだ。中国人はおカネを出すだけでなく、エチオピアで実際にこういう仕事をしてくれてエチオピアの発展の手助けをしてくれている。すばらしいことだ」。

中国がアフリカで担う役割の中で最も大きなものの1つがインフラ整備などの公共事業だ。目覚ましい経済発展を遂げているエチオピアも例外ではなく、中国国営企業は先述のライト・レールだけでなく、鉄道、道路、高速道路、発電所などいくつもの主要なインフラ整備の多くを担っている。中国国営企業は積極的に入札に参加し、公共事業を次々に落札し、工事を行っている。これらの公共事業は多くが中国国営銀行から融資を受けている。

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