iPhoneも使用、でも誰も知らないアルミの謎 需要は年5~7%の高成長、長期では供給リスクも
世の中でアルミを知らない人はいないし、触れたことのない人もいないだろう。アルミはそれくらい生活に密着している金属なのだが、地球の元素の中で酸素・シリコンに次いで多く存在するのがアルミだという事実をご存じだろうか?
iPhoneやiPadにも多く使われているアルミ
ただ、われわれが目にしている白銀色のアルミとしては存在していない。アルミの代表的な製造工程は2段階に分かれる。まず、アルミ元素が多く含まれる約4トンのボーキサイトから中間製品であるアルミナ(酸化アルミニウム)約2トンを抽出する。さらに、アルミナを電気分解することで約1トンのアルミが生産される、という具合だ。
主な特長としては、軽い(鉄・銅の約3分の1)、加工しやすい、白銀色できれ
い、電気と熱をよく通す、衛生上無害、リサイクル可能、などの点が挙げられる。用途は特長を生かして、建設(アルミサッシ)・アルミ缶・航空機・自動車・新幹線・電線・電子部品・アルミ箔・日用品など多様だ。最近ではアップル社のiPhoneやiPadにも多く使われており、アルミ業界に身を置くものとしては嬉しい限りである。
近年では銅との「価格差拡大」を受けた素材代替の進展もあって、アルミ需要は銅をも上回るペースで増加している。当社予測では、2005年に3,000万トンを突破した世界需要は、2014年には5,000万トン超に達すると見込まれている(上図表)。
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