iPhoneも使用、でも誰も知らないアルミの謎

需要は年5~7%の高成長、長期では供給リスクも

また中国では、過去10年の旺盛な設備投資により生産能力が需要増加ペース以上に拡大してきたため、ほぼ自給自足が可能であり、国内需給は安定を保ってきた。しかし高エネルギー消費産業の急拡大は中国の省エネ・排出削減を阻害する大きな課題となり、国策として過剰生産能力や老朽設備の淘汰、「両高一資」(高エネルギー消費・高汚染・資源関連)製品の輸出制限が進められてきている。

現状では石炭資源が豊富な内陸部における新規設備稼働によって、自国需要を賄うだけの生産能力は保たれているが、高コストの生産設備の中には地方政府の電力価格優遇によって辛うじて採算を保っているものもあり、政策変更や電力問題などの状況次第では国内需給バランスが崩れる可能性は残る。需要の持続的な拡大が確実視される中、中国がアルミ純輸入国へと転じるのは時間の問題との見方も市場では少なくない。

変化する生産企業の勢力図

上述したようなアルミ製錬事業の趨勢変化を踏まえ、各企業も活発な動きを見せている。

2000年代に新興国主導で需要が急増した局面では、ルサル社(ロシア)のスアル社(同)統合、リオ・ティント社(英豪)のアルカン社(カナダ)買収の例に見るように、スケールメリット追求や経営合理化が図られ、結果としてアルミ、アルミナ、ボーキサイトいずれも生産寡占度は上昇、生産企業は価格決定力を強めてきた。

近年ではアルミ製錬事業における高コスト地域と低コスト地域の二極化や、原材料確保が難しさを増していることを受け、アルミ生産企業は競争力強化に向け様々な方策を講じている。アルミ生産上位10社に名を連ねるリオ・ティント、BHPビリトンの資源メジャー2社は低採算資産の分離と競争力の高いアルミ製錬事業への投資集中の方向性を打ち出している。

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