マネジメント感覚がない医師
勤務医時代は医師としての決められた仕事をこなしていればよいのですが、自分で開業すると医院の設計や資金計画作成、融資交渉、税金対策、はたまた職員の採用や教育業務まで、今まで経験していないマネジメント業務がどっと押し寄せます。自分で開業して院長となれば、とにかくやることがいっぱいある。このあたりの理解が乏しいと、クリニックの適正な運営に苦しむことになります。
コミュニケーション能力が低い医師
これは、医師が患者を診るに当たって当然必要な能力ですが、大病院ではそのネームバリューでどんどん患者がやってくるため、患者とのコミュニケーションスキルが少々低くてもそれなりにやっていけます。しかし独立開業となると、その先生のちょっとした言動や患者に対する態度の善しあしで患者数が大きく変動します。いわば真のコミュニケーション力があらためて問われることになります
開業してからのビジョンがない医師
読者の方は「そんな先生いるの?」と思われるかもしれませんが、勤務医としてかなり忙しい生活を送っている医師の中には、開業医のほうが楽だからという理由で独立する方もいます。当然、開業後のビジョンがないと、自分がどうしたらよいかもわからなくなり、経営はうまくいきません。
独りよがりで融通が利かない医師
これは大きな病院で管理職を経験した医師に多いのですが、あくまで自分の意見にこだわり、それをスタッフや患者に押し付けたりするのです。たとえば自分の専門分野以外の患者もほかの医療機関を勧めるのではなく、自分ですべて診てしまう。また患者への対応が標準化がされていないため、医師の決定で、スタッフが右往左往してしまう。
開業医は基本的にその医院の責任者であり、すべての決裁権を持っていますが、たとえば看護師も経験やプライドがあるわけで、無理に押し通そうとすると職員はそのクリニックを去り、また患者も寄り付かなくなってしまいます。
地域の患者ニーズを理解していない医師
医院の成功は、医師の腕もさることながら、どこで開業するかが、極めて重要です。いくら外科手術の腕がよくても、開業地での患者ニーズがつかめないと、その腕はまったく必要ないということになります。開業医の専門性とその地域の患者ニーズを正確にとらえることは必須です。
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