外部の労組が乗り込んできたらどうする? プロに聞く!人事労務Q&A 

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なお、この団体交渉の申し入れは、退職した労働者に係るものであれば、御社との雇用関係終了後「社会通念上合理的な期間」になされる必要があり「著しく時期に遅れた」申し入れには、使用者は応じる義務がないとされています。この「社会通念上合理的な期間」は、諸般の事情を考慮して判断され一概にはいえません。

たとえば、日立メディコ事件・中労委命令昭和601113日では、契約更新拒絶後10年を経て組合に加入し、その4カ月後になされた団交申し入れを「合理的な期間」外とし、一方,日本鋼管鶴見造船所事件・最三小判昭和61715日は解雇後610カ月と45カ月経過した従業員についての団交申し入れを「期間」内としています。

社長まで出す必要はない

団体交渉に当たっては、まず、労使双方が話し合って、団体交渉ルールを確定することです。団体交渉の場所や出席者、人数などを決めたら、書面にして労働組合と労働協約を締結します。相手方の労働組合の多くは、会社施設内での団体交渉を求めてきますが、必ずしもそれに応ずる義務はありません。

むしろ、社外の貸会議室などを指定して、社外において行うほうが良策といえます。日時等についても、相手の一方的な申し出に応じる義務はなく、指定した日時を大幅に懸け離れるものでないかぎり、こちらの都合を申し述べ、協議して決めるべきです。出席者については、代表取締役が団体交渉に出席する必要はありません。

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