欧州人のハンパない、歴史と伝統の"売り方"

コンセプトだけで売る、それくらいの力がほしい

手塚さんは、ヨーロッパの人たちのライフスタイルが、自分にとても合っていると感じている。将来は、仕事一辺倒ではなく、趣味の世界も充実させたいと思っている。

そんな手塚さんが現在、取り組んでいるのが、日本文化を世界に売る2つのプロジェクト。ヨーロッパ流のマーケティングを「実践」として学ぶため、LBSの授業を受けながら、ボランティアでプロジェクトを請け負っている。

ひとつは、日本酒を海外へ売る事業。この事業にかかわるきっかけとなったのは、2012年夏、ロンドンオリンピック開催中に行われたイベント、「ARIGATO in LONDON」だった。

中田英寿氏がプロデュースした日本酒バー

東日本大震災後に世界から寄せられた支援に感謝するために、官民が一体となって開催したイベントで、会場となったロンドンカウンティホール(旧市庁舎)には、復興への軌跡を伝える写真展などに加え、工芸品販売などのブースが並んだ。

その中に、イベント実行委員の中田英寿氏がプロデュースした、日本酒バーがあった。日本ブランドを海外に売ることに興味があった手塚さんは、友人である日本酒ソムリエ、菊谷なつきさんに誘われ、早速、日本酒バーを訪れた。

「もともと、日本の顔になるような商品を海外に売りたいと思っていました。そんなとき、日本酒バーで酒蔵を経営する方々と知り合い、品質へのこだわりや、お客さん第一の姿勢に感銘を受けました。何かお手伝いできないか、日本に帰ったらぜひ酒蔵を見学させてほしい、と自分から申し出ましたね」

夏に日本に一時帰国した際は、山形の「上喜元」の酒蔵を訪問し、その後も日本酒をロンドンでさらに広めるべく、菊谷さんと話を進めている。

「日本はこれまで、自動車や家電を”高品質”を売りにして輸出してきましたが、これからは、化粧品やお酒といった商品に、”日本の歴史や伝統”をブランドとして付加価値をつけ、世界に輸出することができるのではないかと考えています」

もうひとつは、今治タオルをヨーロッパに輸出する事業だ。手塚さんの親類が今治タオルを製造・販売する会社を経営しており、海外進出を手伝わせてください、と申し出た。

イタリア・ミラノで開かれたマチェフ国際ホームショーに参加し、今治タオルを販売した

2013年1月には、イタリア・ミラノで開かれたマチェフ国際ホームショー(世界最大級のテーブルウェア・ギフト用品関連の見本市)に参加して、自ら、今治タオルを販売した。

「卒業まであと数カ月ですから、なるべく多くのビジネスの種をまいておきたいと思います。

日本というブランドを世界へ売るというのは、僕のライフワークです。それが、MBA留学で見つかったような気がします。ヨーロッパの人たちのように、仕事も遊びも充実させて、人生を楽しめたらいいなと思っています」

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