財務面でも、大きな差がついた
さらに、ANAはJALより財務面でも、差がついていると言えます。ANAの有利子負債に目を向けますと、2013(平成25)年3月期 第3四半期は、合計で8869億円もあるのです。一方、JALは先ほどお話ししたように、現在の負債は522億円程度しかありません。ですから、ANAは「支払利息」だけでも平成25年4~12月期で139億円も計上されているという状況なのです。一方のJALの同期間の支払利息は24億円です。
収益の面でも同様です。ANAの「営業利益」は1075億円とある程度の黒字を出していますが、JALは1581億円と、ANAより5割ほど多い利益が出ています。支払利息等を調整した経常利益ではもっと大きな差がついていますし、先ほども述べたように、税金面での差も大きいですから、同期間の純利益では、JALが1406億円に対し、ANAは522億円と大きな差がついています。
JALは破綻したことで株主が犠牲になりましたが、金融機関に借金を棒引きしてもらった上、国の支援を得て、大きく再生に弾みがついたということです。
今後の行方としては、まず、燃料費の上昇がどのように響いてくるのかに注目です。円安の影響や、世界経済が安定しつつあることから、燃料費が上昇し始めています。以前は、世界景気が良くなると、航空会社の業績も良くなるというのがセオリーでしたが、これから先はどうなるか、わかりません。また、今後は自由化がますます進むでしょうから、競争がいま以上に激化していくものと思われます。今後のJALやANAの業績のみならず、航空業界全体の業績にも注意が必要ですね。
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