B787ショックで狂う、富士重の目算 中央翼の生産計画に影響か

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米ボーイング社の最新鋭旅客機「ボーイング787(B787)」をめぐる機体のトラブルが、相次いでいる。国土交通省は1月17日、B787を運航する全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)に対し、トラブルの原因が特定されるまで「運航停止」を命じた。

B787は機体の構成素材や翼、バッテリーなど日本国内のさまざまなメーカーが生産や部品供給に携わっており、“準日本産”の航空機ともいわれる。たとえば、バッテリーは、自動車用鉛電池大手のジーエスユアサ コーポレーション(GSユアサ)が全面供給。バッテリーは発煙・出火トラブルの原因の一つと疑われており、国土交通省と米連邦航空局(FAA)が1月21日、合同で立ち入り検査に入り、原因究明を進めている。

トラブルの原因を特定して対策を講じるまでは、運航停止は続く。問題は長期化する様相を呈しており、今回のトラブルとは関係がなくても、B787の生産にかかわるメーカーに影響が及ぶのは必至だ。

増産体制はすでに構築

そのうちの代表的な1社が、「スバル」のブランドで知られる自動車メーカーの富士重工業である。富士重は、B787の左右の主翼と胴体を結ぶ重要な部位である「中央翼」を生産している。

「増産体制を築いてきたこの段階で、もし生産が落ちるとなると、私どもとしては困ってしまう」

1月15日、東京都中央区で開かれた富士重工の新春会見。近藤潤副社長は不安を吐露していた。同日時点では、B787中央翼の生産計画の変更はなかったが、その翌日の16日、ANA機で発煙トラブルによる緊急着陸が発生。国交省が運航停止を命じる事態となった。今回の機体トラブルでボーイングは生産計画の見直しを迫られそうで、富士重にとっても当初の目算に狂いが生じることになる。

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