B787大量投入が裏目に出たANA JAL VS.ANA 財務面から見たライバル対決(下)

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さらに「純資産の部」を見ますと、「資本金」と「資本剰余金」が、2009(平成21)年よりそれぞれ1600億円程度増えていますから、合計で3200億円ほど増資したということがわかります。

これは、どういうことなのでしょうか。今、話題になっている新型航空機B787がヒントです。貸借対照表の「資産の部」にある「固定資産 航空機(純額)」を見ますと、2008(平成20)年12月31日の時点で6318億円だったのが、2012(平成24)年12月31日には8380億円と大幅に増えています。ANAは、戦略として全日空ホテルを全部売却して資金調達をし、さらに増資を行い、そのお金で最新型航空機B787を購入するなど装備の充実に努めたということなのです。

ANAには、燃費が良くて長距離飛行が可能な新型航空機B787を導入しようという戦略がありました。B787の開発にも協力しました。現状、世界で運行している50機の同航空機のうち、17機を所有したのです。しかし、今回の度重なる事故によって、その戦略が現状は狂ってしまっているというわけです。

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