“超”優秀な人材が、NPOに押し寄せる理由

企業とNPOが人材を奪い合う時代

もう1人紹介したいのが、豊田とは正反対のクールキャラ、三ツ井稔恵(34)だ。

豊富なビジネス経験を活かして大活躍の三ツ井

彼女は上智大学外国語学部出身で、英語・スペイン語を操るパワフルなキャリアウーマンだ。大学卒業後、ホテルニューオータニでホテルマンとして2年勤務した後、リクルートで営業として8年のキャリアを積んだ。現在は、これまで培った圧倒的なお客様視点を活かし、複数のプロジェクトをマネジャーとして回しつつ、各企業からの相談窓口のような役割を一手に引き受けている。また、彼女自身は未経験だった法務の分野でも、弁護士のサポートを受けながら大企業との大変な交渉を担っていて、まさに大車輪の活躍だ。

そんな彼女の転機は、リクルートに入社して4~5年目、今後のキャリアを迷っていたときだった。当時懇意にさせていただいていたクライアントの取締役に、「どこで何をやるかじゃなくて、まず人生のミッションを決めるといい」と言われたそうだ。三ツ井は悩んだ末に「人の自立と成長を支援すること」を自身のミッションを定めた。そんな折、その取締役の勧めで、バングラデシュのスタディツアーに参加することになる。

「バングラデシュに行って、社会に対して、自分の力で貢献することに興味が出たんです。一方で、ビジネスの仕組みや組織のあり方を学べる企業も大切だと。それで、社会性と事業性を両輪で回すようなことをしたいのだと、方向性が見えてきました」

僕が三ツ井と出会ったのは、彼女の人生を変えるキッカケとなった取締役宅のホームパーティの席だった。彼女にクロスフィールズの事業を説明すると、その場で「ぜひ働かせて!」と言われて面食らったのを覚えている。

「社会に出て10年目のタイミングで、10年かけて見つけた“本当にやりたいこと”に大きく舵を切ってみようと思ったんです。事業性と社会性、この2つをドンピシャで結び付けるものをクロスフィールズが持っていたんですよね」

そう語る三ツ井は現在、国内の夜間MBAに通いながらクロスフィールズの業務をこなしている。いったいどれだけの根性と体力があるんだとつねに思っているが、彼女のような超優秀なビジネスパーソンと一緒に働くことができて、僕は心から幸せだ。

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