大戸屋、創業家が明かす"乗っ取り"の全内幕 沈黙を破って「不信の起点」を語った

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ただ、創業家側は反対を表明するのみで表立った動きはなかった。智仁は「3月に株を相続したばかりで、準備が整わなかった」と説明する。6月23日の株主総会後では、賛成多数で会社側の提示していた取締役の人事案は可決された。

巻き返しを狙う創業家

創業家側が「乗っ取り」と断言する一連の騒動。どう着地するのか(撮影:尾形文繁)

創業家側によれば、「準備が整い次第、独自の人事案を会社側に提案する」(智仁)意向だ。

9月以降に大株主として、臨時株主総会の招集請求を行うか、2017年6月に開かれる定時株主総会に向けて、対抗策を進めるという。

ただ、久実の実子で後継者候補と目されているとはいえ、智仁には目立った実績がないのも事実。窪田については2012年の社長就任以降、売上高は増えているが、営業利益は横ばいにとどまっている。

ある社員は「窪田社長は仕込みや調理の手数を減らすなど、合理化を進めてきた。メニューを変えても、客数は減り続けている。なぜ取締役を大幅に入れ替えなければならなかったのか、新体制で何を生み出していくのか見えてこない」と嘆く。FCオーナーも「食材費や人件費が高騰し、経営は苦しい。まずは今の事業をどうするかが最優先。内輪揉めはその次だろう」と手厳しい。

大戸屋を巡る対立は混迷の度合いを深めている。

(敬称略)

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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