方向感のない日本株でも儲ける方法がある 上昇も下落も長続きしないのが今の相場

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このような往来相場(ボックス相場)で、株価循環の天・底を見極めるのに有効な指標はいくつかあります。一つはPBR(株価純資産倍率)で、ここ半年間日経平均株価ベースのPBRは1.05~1.15倍の間に9割がた収まっています。

またテクニカル的には1週(5日)の移動平均(MA)と1か月MAがゴールデンクロス(GC)状態にあるのか、デッドクロス(DC)状態にあるのかの位置関係と補助的な指標として、新高値数、新安値数を使用すれば、天井圏、底値圏を特定することも可能です。

株価の騰落が長期化することはないので、テクニカル分析では長期線は必要ないほどです。ここでは短期の指標、日経平均株価の(日々の)終値と5日MA,20日MAの位置関係で戻り高値圏(売りゾーン)、底値圏(買いゾーン)の定義を試みてみたいと思います。

終値>5日MA>20日MAの順なら「売り」に

検証期間は4月以降の4か月です。より短期の移動平均である5日線が20日線の上にあり(GC状態)、日々線(終値)がそれらの移動平均を上回っている時を列挙してみると以下の通りです。日経平均株価の値は期間の平均を取っています。

(日々の)終値>5日MA>20日MA
 充足期間    日数  期間の平均(円)  高値日
 4/19~26    6日  17251      4/22
 5/26~31    4日  16977      5/31
 7/13~21    6日  16555      7/18
 7/27      1日  16664

日々線、5日線、20日線が「順」の位置関係になったのは4か月のうち、わずかに17営業日で、しかもその場面(持続は1週間程度)では必ず月間の高値を記録しています。ボックス相場下での「順」の並びは売りのタイミングということになります。

このルールは逆もまた真なりで、「逆順」に並んだときは底値圏にあり、買いのタイミングということになります。

「逆順」(20日MA>5日MA>終値)なら「買い」

「逆順」に並んだとき(計25日)
  4/01~11(7日)
  5/09 5/13・16 5/23・24 (計5日)
  6/07 6/09~17(7日) 6/24~28(3日)
  7/06~08(3日)

4月安値(4/06)、離脱決定前の安値(6/16)や離脱時の安値(6/24)、7月の戻り相場前の安値(7/08)等も含まれ、「逆順」に並んだときは買いのタイミングと位置付けられます。

日々線、5日線、20日線の並びで株価循環の天・底の見極めが可能であるということは他の副次的な要素を加えれば、的確に投資タイミングを測れるということになります。

荒野 浩 マーケット・アナリスト

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あらの ひろし

あらの ひろし 1971年日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社後、調査部でアナリスト業務に従事。米国勤務を挟み一貫して、日本株の情報・市場分析を行う。1996年に朝日投信委託(現みずほ投信投資顧問)に転籍、調査部長・運用部長を経て、常務取締役投信運用本部長を歴任。 2012年に退職。その後はTV,ラジオ出演などで活動。日本株を中心とした市場分析の経験は約45年に及ぶ。投資Salon「荒野浩のテクニカル・ルームから」は、独立系アナリストのメルマガとして、国内最大規模を誇る。

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