SIP自動走行システムの葛巻清吾PD(プログラムディレクター)によれば「ダイナミックマップ基盤企画は2017年度中に事業会社へと移行できるように、これから具体的な議論を進めていく」という。現時点でひとつ見えている方向性は、国際標準化だ。
地図の基盤部分については標準化が必要
地図の表現方法は国や企業ごとに違っていても、自動走行システムがどのような情報を参照するのか、地図の基盤部分については標準化が必要だ。たとえば、交差点の位置を決定するときに、交差した道路の中心で見るのか、停止線に合わせるのかで、まったく違った情報になる。国ごとに自動走行システムをカスタマイズしなければならないとしたら、コストが膨れ上がるばかりで誰にもメリットはない。これについては日本が積極的に推進しており、すでに標準化の足掛かりはできているので、引き続き推進していってほしい。
ドイツではアウディ、BMW、ダイムラーが組んで、フィンランドのノキアから派生した地図会社ヒアを傘下に収めたことが話題になった。このヒアが覇権を取るのではないかと噂されているが、方々から漏れ聞こえてくる情報を集約すると、ヒアは日本が考えているような標準化に興味がなく、もっと表層のサービス開発に注力しているようだ。むしろ、標準化に向けた課題は万事において独自路線を行く米国や中国にあるかもしれない。いずれも数の論理を生かしてデファクトスタンダードを作ることを得意としている。
日本はダイナミックマップを含む、自動走行システムにおいて技術的アドバンテージを有していることは間違いない。ダイナミックマップ基盤企画は日本有数の企業が結集した連合軍ゆえの難しさもあるだろうが、各社が協調し、世界に存在感を発揮する事業会社に成長することを期待している。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら